自然災害の保険金支払額、昨年は30年平均の2倍超-今年さらに増加か
(ブルームバーグ): 2024年の自然災害に対する保険金支払額は総額1400億ドル(約22兆1400億円)と、30年間の平均の2倍余りに上ったことが明らかになった。新年もロサンゼルス近郊で発生した山火事が、森林火災への保険損失額としては過去最高となりそうな様相だ。
ミュンヘン再保険がまとめた業界データや9日公表されたリポートによると、保険会社にとって24年に最も大きな負担となった自然災害は、全米に被害をもたらした大型ハリケーンの「ミルトン」と「ヘリーン」だった。ドバイとスペイン・バレンシア州の大洪水でも、数十億ドルに上る保険金の支払いが発生した。バレンシアの洪水では、200人余りが死亡した。
さらに、今年は24年の保険損失額を上回りそうな勢い。ロサンゼルス近郊の山火事はサンタモニカやマリブなど全米有数の高級住宅地の一部をのみ込みつつあると、気象・災害情報を提供するアキュウェザーは指摘。同地域の住宅価格は中央値で200万ドルを超えており、火災による被害額は520億-570億ドルに達するだろうと同社は見込んでいる。
原題:Extreme Weather Drives Insured Losses to Highest Since 2017 (1)(抜粋)
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Stephan Kahl