ベントレー・ベンテイガ 詳細データテスト 上質で広い 動力性能も操縦性もハイレベル 文句なく快適
制動距離
テスト条件:湿潤路面/気温23℃ 30-0マイル/時(48km/h):8.8m 50-0マイル/時(64km/h):24.1m 70-0マイル/時(80km/h):49.0m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.67秒 ■ライバルの制動距離 ロールス・ロイス・カリナン・ブラックバッジ(2020年) テスト条件:湿潤路面/気温6℃ 00-0マイル/時(48km/h):9.2m 50-0マイル/時(64km/h):24.7m 70-0マイル/時(80km/h):48.0m
各ギアの最高速
1速:67.6km/h(6600rpm) 2速:99.78km/h(6600rpm) 3速:149.7km/h(6600rpm) 4速:188.3km/h(6600rpm) 5速:244.6km/h(6600rpm) 6速:289.7km/h(5568rpm) 7速:289.7km/h(4672rpm) 8速(公称値):290.0km/h(3714rpm) 8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1444rpm/1651rpm
結論 ★★★★★★★★☆☆
ミュルザンヌの退役から4年。ベントレーの超高級フラッグシップの抜けた穴を埋めることを期待されるのが、今回のベンテイガEWBだ。走らせ甲斐やロマンティックさでいえば、フットワークのいいミュルザンヌのようなわけにはいかない。 しかし、乗り心地や静粛性、そして走行中のウェルビーイングについては、混雑した市街地でも空いた高速道路でも味わえる。もしもスムースな舗装路を外れて走りたいとなれば、このクルマの全天候性はかなり大きな動機付けとなる。これは世界屈指の万能性を備えたコンプリートなクルマだ。 もちろん、高級SUV市場は、ベンテイガがデビューした頃ほどゆとりがあるわけではない。レンジローバーのロング版のほうがおそらくコスパがいいし、特別感はロールス・ロイス・カリナンのほうが上だ。この大きなベントレーは、インテリアのそこここに古さを感じさせる部分もある。改修は必要だろう。それでも今のところ、EWB仕様は、やはり目を引く存在だ。 ■担当テスターのアドバイス ◆リチャード・レーン ほとんどのオーダーがエアラインシート仕様なのは納得だ。EWBは後席重視のクルマなのだから。それでも、自ら運転すれば操縦性のよさに驚くはず。いいクルマは乗っているうちに小さく感じるようになると日頃から言っているが、なんとこのEWBもその部類なのだ。 ◆マット・ソーンダース ベントレーによれば、EWBには標準モデルに対して2500のパーツを新設計したという。また、1台あたりの製造には、132時間余計に費やすとか。それでも、フラッグシップ専用モデルがあったほうがいいと、個人的には思うが。 ■オプション追加のアドバイス 使い方を慎重に見極めよう。エアラインシートはすばらしいが、乗車定員が1名減ってしまう。アズールでも十分過ぎるほど贅沢なSUVで、4+1座が標準仕様となる。ミュリナーは、普段使いには過剰だろう。 ■改善してほしいポイント ・低速でのセカンダリーライドの改善を。そこだけが、走りにおける弱点だ。 ・デジタルメーターはもはやスペシャルなものには思えない。いまこそ、アナログに戻すときではないだろうか。 ・低速での取り回し時、小刻みな変速を入れると、ギアボックスがフリーズすることがある。
リチャード・レーン(執筆) マット・ソーンダース(執筆) ジャック・ハリソン(撮影) 関耕一郎(翻訳)