“90歳”草笛光子から学ぶ「年を重ねるごとに輝きが増す生き方」 90代のアスリート、「マクドナルド」クルーも活躍
見る人を明るくする演技…作品にあふれる人柄のよさ
草笛さんの生き方はポジティブで、おおらかなものですが、彼女の生き様は出演してきた作品に色濃く投影されています。 2021年に公開された映画「老後の資金がありません!」で、草笛さんは浪費家の姑を演じました。鮮やかな赤いコートやベレー帽、発色のよいブルーのコートなど、華やかかつきらびやかな衣装に身を包んだ彼女の姿も本作の見どころになっています。多種多様な衣装を着こなし、見る人を視覚的にも楽しませる草笛さんですが、本作では、「前歯がないおじいさん」の姿も披露しています。同シーンの背景には撮影中に前歯が落ちてしまい、歯医者に行こうにも時間が遅かったという事情があったということです。こうしたハプニングを演技にうまく生かし、笑いを誘うシーンに仕上げたのも、草笛さんの寛容さや女優魂、視聴者を楽しませたいという思いがあってのことだと思います。 公開されたばかりの主演映画「九十歳。何がめでたい」では、公開直前に東京で開催された舞台あいさつで、草笛さんが「私も90になりました…。何がめでたいって…。自分じゃよくわかりませんけれども.…90歳よろしくどうぞ」とコメントし、観客と報道陣に向かって大きく手を挙げたり、笑顔を見せていました。同作は、作家・佐藤愛子さんの同名エッセーを実写化。草笛さんは、佐藤さんを演じています。断筆宣言をし、鬱々と過ごしていたところ、時代遅れと周囲から疎まれる編集者(唐沢寿明さん)と出会い、活力を取り戻していくという役どころです。草笛さんの明るい声やチャーミングな演技は視聴者に元気を与えます。また、数々のコスプレ姿も本作の見どころになっています。 多くの女性が草笛さんのような品位ある女性に憧れています。品位を身につける方法が書かれた本を読み、その通りに実践し、美しい言葉遣いを心掛けているだけでは品位をまとえないのかもしれません。数々の苦労を乗り越え、時に大胆に行動し、何事にもおおらかでいることでこそ、内面から美しさを放てるものだと思います。