「人を癒す授業の直後にリングのコーナーからダイブを浴びせ」元プロレス・赤井沙希 現役時代から美容を学び、選んだ人生の第二のリング
── プロレス、芸能界の仕事だけでも忙しいのに、通学も加わったらかなり大変じゃなかったですか? 赤井さん:プロレスや芸能のお仕事が疎かになっていると思われるのは絶対嫌だったんで、通学していることはプロレスラー仲間に秘密にしていていました。週4日ほど通学していましたが、かなり大変でした。午前中は授業に出て、昼間に抜けてプロレスの会見でメンチを切って煽り合いをしてから、学校に戻ったり。学校ではリラクゼーションミュージックをかけて、アロマのいい香りに包まれながら人を癒やす勉強をしていたのに、直後にリングのコーナーから飛んで殴り殴られですよ。「人を癒す手で殴って、いいのか」と考えたりしました(笑)。
同級生は私がプロレスラーなのを知らなかったんですよ。生徒同士で施術し合う授業で、私の胸に試合で受けた男性プロレスラーの手形がくっきりついていて、戸惑わせたことがありました。「転んだ」ってごまかしましたけど(笑)。 ── 現役中に通学されたのはなぜですか? 赤井さん:引退後に勉強を始めたのでは遅いと思っていたんです。 ── それは現役中に次の道を見つけて、美しくプロレスラーを引退したかったからですか?
赤井さん:いえ。サウナ好きの後輩に刺激されたんですよ。彼はサウナが大好きすぎて、プロレスラーをしながら千葉でサウナを経営しています。サウナを始めてから選手としてさらに伸びて、すごくかっこいいなと思って。後輩の影響が大きいですね。時間がもったいないし、今が一番若いから、したいと思ったら他人に迷惑かけないように状況を整えてやっちゃった方がいいって考えなんです、私。それにプロレスと芸能の仕事だけなんて、守りに入りすぎだからもっと攻めないと、と焦っていました。
── プロレスと芸能だけでも十分攻めています!日本人はひとつの道を極めるのが好きな人が多いです。掛け持ちをすることで何か言われる原因になるかも、という不安はありませんでしたか? 赤井さん:芸能とプロレスをしているだけでも、ちゃんと本業をやれと言われていました。私にとってはどちらも本業で、両方とも本気で取り組んでいました。私はマルチタスクの方が安心できるタイプなんです。もちろん、全部片足突っ込んでいるだけはよくないですけど、私は全部に魂を注いでいますから。