17日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場（気配値）は、手掛かり材料に乏しく1ドル＝157円台半ばでのもみ合いとなっている。正午現在は157円43～45銭と前週末（午後5時、157円67～67銭）比24銭のドル安・円高。 　前週末の海外市場では、欧州時間は日銀の植田和男総裁の会見がタカ派的と受け止められたことによるドル売りの流れが続き、一時156円80銭台まで下落した。ドル売り一服後は買い戻しが入り、米国時間の序盤は157円30銭台に上昇。中盤以降は同水準でもみ合った後、終盤にかけて157円40銭台へ小幅に切り上げた。 　こうした海外市場の流れを引き継ぎ、この日の東京時間は157円50銭台でスタート。日経平均株価が一時前週末比800円超安と大幅に下落したことからリスク回避の円売りが強まり、ドル円は157円20銭台まで下落した。仲値にかけては実需のドル買いが徐々に優勢となり、157円40～50銭前後まで値を戻している。 　日米の金融政策発表を通過し、「大きな手掛かりに欠ける」（外為仲介業者）ことから目先のドル円は方向感が出にくいとみられている。このため、当面は「（155～160円台の）高値圏でのもみ合いになる」（国内銀行）との見方が出ている。 　ただ、仏政局不安が強まっていることを受け、市場では「リスクオフのムードが広がっている」（大手証券）との声も聞かれる。欧州勢が参加する時間帯の相場の動きには注意する必要がありそうだ。 　ユーロは朝方に比べ対円で小幅下落、対ドルで小動き。正午現在、1ユーロ＝168円53～53銭（前週末午後5時、168円82～83銭）、対ドルでは1．0704～0704ドル（同1．0707～0707ドル）。