「マンションのローンはどうなってしまうのか…」住宅ローンの金利上昇を騒ぐ人に欠けている視点
また、金利上昇局面において、変動金利から固定金利に借り換えることを考えても、固定金利は変動金利以上に金利が上がってしまっていて、借り換えるのは現時点で現実的ではない。この程度の金利上昇は「想定の範囲内」と静観しよう。 ■金利上昇は逆風なのか、追い風なのか 最後に、金利上昇の逆風が吹いているように見えて、追い風になることだってあり得ることを伝えておこう。住宅ローン控除は超低金利になったことで、会計検査院(税収の出方に無駄がないか監視している役所)から「住宅ローンは超低金利なのでマイナス金利の益税になっている」と指摘され、1%から0.7%に縮小した経緯がある。
金利上昇局面では逆に拡大される可能性すらあるし、ロビー活動に強い不動産業界は遠くない将来にそれを主張する日が来るだろう。金利上昇はローン控除で相殺される可能性が高く、その税制改正を見届けてから住み替えを考えても遅くはないと考えている。
沖 有人 :不動産コンサルタント