「マンションのローンはどうなってしまうのか…」住宅ローンの金利上昇を騒ぐ人に欠けている視点
住宅ローンを借りることをゲームと想定して、戦略上大事なことを整理しておこう。次の5つは私がゲームに勝ちたいときに必ず使っている戦略構築の枠組みだ。 ① 「ゲーム」のエッセンスを深く理解する まず、住宅ローンはローン控除を含めると「超借り得」であることに変わりはない。金利が多少上がっても、不動産価格が下がることはない。一般論では、金利上昇は需要減退させ、価格の下げ要因になる。しかし、マンション価格は新築価格が牽引するもので、マンションデベロッパーの借入金利の上昇はコストプッシュになって新築価格に上乗せされるだけだからだ。
② 勝敗に至る「因果関係」を深く理解する 「金利は低く、期間は長く、借入額は多く」が原則で、これが最も得をする。金利が上がると繰り上げ返済を考える人が出てくるが、0.6%を繰り上げ返済しても0.6%で運用したことと同じ意味しかなく、効果は低いのでやらないほうがいい。それに、住宅ローン控除の期間内なら、返済したら損をすることになる。 ③ 「相手」の出方を事前に調べておいて、推量する ネット銀行の金利が最も低く、貸し出し上位行であり、シェアに響くので金利は上げにくい。最大手が0.01%の金利上げで大ニュースになったくらいなので、これは今後も変わらない。
④ 安心の「拠り所」(勝ちパターン)を用意しておく 住宅ローンを変動金利で借りている人は住み替えをしたところで、当面は今までより高い金利になるだけだ。持ち家に住み続ける選択肢を選択していることは変動金利上昇の影響を最小限にしていると考えよう。つまり、リスク回避のために「現状維持でいい」という拠り所があれば、焦る必要はないはずだ。 ⑤ ゲーム中は「想定の範囲内」をつねに保つ 住宅ローン金利は上がってもローン控除の範囲に収まっているケースが多いはずだ。これは想定の範囲内だし、住宅ローンを借りた当時の固定金利より1%以上安い金利で借りているのだから、変動金利を借りた選択は正しかったことに変わりはない。