渋野日向子が全米女子プロ初日に4オーバー93位タイと出遅れて逆転五輪切符どころか予選落ち危機…「すべてにおいて残念」
イーブンパー前後が混戦状態になっているなかで、渋野は気丈に前を向きながら2日目での巻き返しを誓った。約3ヵ月間におよんだアメリカツアー挑戦の最後となる全米女子プロ選手権は、今夏に開催される東京五輪にも大きな影響を与える。 今週末に日米でそれぞれ行われる大会後に更新される世界ランキングで、東京五輪に出場する日本代表選手が決まる。日本の出場枠は「2」で、世界ランキング11位の畑岡はすでに確定。残る1枠を25位の稲見萌寧(21・都築電気)と28位の古江彩佳(21・富士通)、そして31位の渋野が争う構図になっている。 日本国内では24日からアース・モンダミンカップが千葉・袖ケ浦市のカメアリヒルズカントリークラブ(6639ヤード、パー72)で開幕。古江が首位の2打差の4位と好スタートを切ったのに対して、稲見は1オーバー73位と大きく出遅れた。 代表切符の行方は稲見がアース・モンダミンカップで単独3位以上に入れば、古江の順位に関係なく確定。古江が優勝し、かつ稲見が単独4位以下ならば立場が逆転する。 稲見が優位に立っている状況で渋野が大逆転を果たすには、ポイントが高い全米女子プロ選手権で最低でも単独5位以上に入ることが必須となる。稲見がアース・モンダミンカップを制した場合には、渋野は単独2位以上に入らなければいけない。 稲見と古江の結果次第で渋野に課されるハードルも変動してくるが、いずれにしてもまずは予選を通過しなければ話にならない。だからこそ初日で大きく出遅れ、予選落ちの危機に直面した状況はイコール、東京五輪代表入りの絶望をも意味する。 もっとも、今回の渡米後に挑んだ2度のメジャー、4月上旬のANAインスピレーションと今月上旬の全米女子オープンでともに予選落ちしている渋野は、大逆転の可能性を残す今回の全米女子プロ選手権を前にこう語っていた。 「正直、東京五輪を意識できるほどの余裕がありません」 世界中に衝撃を与えた2019年のAIG全英女子オープン選手権制覇の肩書きは、もう過去のことと忘れている。それでも、近い将来のアメリカツアーへの本格挑戦をにらんだ上で、メジャーで3大会続けて予選落ちを喫したままで帰国するわけにはいかない。 「悪いところもたくさんありましたけど、前回の全米女子オープンよりはパッティングの感じがよくなってきた感じがあるので、パッティングが明日入ってくれればスコアにもつながる。それに期待しつつ、あとはショットでもう少し攻めるところは攻めて、割り切るところは割り切りながら守りに入って、というゴルフができれば」 現地時間の午前スタートとなる2日目は、日本時間25日午後9時38分にティーオフを迎える。何の手土産もないまま帰国の途に着かないためにも、トータルのスコアを最低でもイーブン前後にまで伸ばすチャージが渋野には必要になってくる。