メイキング写真公開『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』近藤監督は「ほかの人の“怖い”を想像できたほうがいい」

2022年の年末に行われた、日本で唯一のホラージャンルに絞った一般公募フィルムコンペティション「第2回日本ホラー映画大賞」にて大賞を受賞した、近藤亮太監督の短編映画『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』が、主演に杉田雷麟を迎え長編映画として、2025年1月24日(金)に公開される。本作より撮影現場を捉えたメイキング写真が解禁された。 【写真を見る】“怖いもの”を撮るため、キャスト＆スタッフでコミュニケーションを重ねたという 本作にて商業映画デビューを果たす近藤亮太が監督、総合プロデューサーをJホラーの巨匠、清水崇が務める『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』。弟の失踪にまつわる一本のビデオテープに閉じ込められた、粗く不穏な映像に心底ぞっとするような、真の恐怖を体感できる“正統派Jホラー”に仕上がっている。 近藤監督は、「リング」シリーズの脚本家、高橋洋に師事。高橋の監督作品やNetflixドラマ「呪怨：呪いの家」でも助監督を務め、今年話題のテレビ東京ドラマTXQ FICTION第1弾「イシナガキクエを探しています」で演出を務めるなど、いま最も熱い注目を集めるクリエイター。主演には、近年話題の数々の映画、ドラマに出演し、今年公開の映画『プロミスト・ランド』(24)で主演を務めた杉田、主要キャストとして、平井亜門、森田想、藤井隆が共演する。 近藤監督は、ホラー映画大賞ができたことをきっかけに5年ほど離れていた映画作りを再開したのだという。第1回では大賞を逃したものの、第2回で見事大賞を受賞。小学生低学年まで怖がりだったものの、怖いものは好きだった近藤監督。幼いころは図書館に毎日通い、「怪人二十面相」や学校の怪談、ホラー小説を毎日読んでいたそうだ。 監督は、「所属していたサッカークラブでは合宿のたびに部屋で怖い話をして、みんなに喜んでもらっていた。怖い話をして喜んでもらえるというのはその体験から」と、気づいたら“ホラーの人”になっていたと話す。「不気味なものにはずっと惹かれていた」と語り、短編だった『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』を長編化するにあたり、「本編の半分をPOV(＝主観映像)、もう半分を劇映画にするという特殊な構成を思いついて、これだったらあまりないテイストになる」と本作の企画のきっかけを明かしている。その不気味なビデオテープの映像と、主人公の弟の失踪を追う物語が巧妙に描かれていることにより、これは映画なのか、現実なのか、まるで自分が物語の中にいるようなゾッとする恐怖を倍増させている。「人それぞれ、“怖い”に同じ感じ方はないと思う。怖さにはグラデーションがあって、ほかの人の“怖い”を想像できたほうがいいなという気持ちがあるので、ホラーがその助けになれば」と、いまも怖がりに変わりないと話す監督ならではの視点で制作された。 今回解禁されたメイキング写真からも、主人公、敬太を演じる杉田、敬太の同居人、司を演じる平井、記者の美琴を演じる森田、そして美琴の上司役の藤井らのキャストと、本当に怖いものを撮るために現場で綿密にコミュニケーションをとっていた様子が伝わる。 近藤監督が作り上げた、体の底から身震いするような“本当に怖いもの”は、ぜひ劇場で味わってほしい。 文/サンクレイオ翼