投資信託は「S&P500」が良いと聞きますが、株式はどんな銘柄を選べば良いのか分かりません。「株主優待」をもらえる企業なら損はないですか?
新NISAでは、プロが投資家の代わりに運用する投資信託のほか、個別株に投資することも可能です。なかには株主優待がついた株式もありますが、どれを選べば良いのでしょうか? 本記事では株主優待つきの株のメリット・デメリットや、長期投資に向いている投資商品について紹介します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
新NISAでも株主優待のある株を購入することはできる
新NISAは以前の「一般NISA」「つみたてNISA」と違い、投資の利益が非課税になる期間が無期限です。 利益の全額が再投資される投資信託に投資する人だけでなく、高配当株を保有して配当金を得たい人にとっても適した制度といえます。なかには、株主になることで企業から提供されるさまざまな優待に興味を持つ人もいるでしょう。 株主優待銘柄とは、株主優待制度を取り入れている企業の株式のことで、所定の株数を保有して株主になれば食事券やサービス券、カタログなどの優待が受け取れます。 高還元の優待銘柄は人気が高いため、市場の影響で株価が下がっても多くの人に購入されて反発しやすいという特徴があります。
株主優待は途中で廃止される可能性がある
株主優待は新NISAの投資先として考えられますが、将来ずっと同じ優待が続くと約束されているわけではありません。株主優待は業績悪化などを理由に内容が改定されたり、優待そのものが廃止されたりする可能性がある点に注意が必要です。 例えば手ごろな価格でイタリアンが食べられるファミリーレストランとして有名な「サイゼリヤ」では、過去に「100株以上500株未満の保有で2000円」「500株以上1000株未満の保有で1万円」「1000株以上の保有で2万円」の食事券がそれぞれ株主優待として受け取れました。 ところが、2024年7月には株主優待の廃止が発表されました。有名な大手企業でも、経営戦略の見直しや株主への公平な利益還元などを理由に株主優待が廃止されたり改悪されたりする可能性は十分にあるのです。
長期的な資産運用にはインデックスファンドがおすすめ
長期的に投資をして老後資金などに使う資産形成を進めるなら、インデックスファンドと呼ばれる投資信託がおすすめです。 株主優待は100株以上など一定株数の購入でないと優待がつかないことが多く、株価によっては100株を揃えるのに何十万円もかかる銘柄もあります。もしも業績悪化で株価が暴落したり株主優待が廃止されたりすると、資産や利回りが大きく低下する可能性があります。 一方、インデックスファンドはS&P500や日経平均株価など特定の指数に連動する運用を目指す投資商品です。株主優待を受け取ることはできませんが、指数に含まれる銘柄に間接的に分散投資ができるため、少数の個別株に投資するよりもリスク分散をしやすくなります。 例えば、世界中の企業に投資できる「全世界株式(オール・カントリー)」と呼ばれるインデックスファンドは、世界中の人口増加や経済成長などによる国々の利益によって基準価額が上昇します。 分散投資により値下がりの影響を抑えつつ、どの国が成長しても値上がり益を享受できるため、長期的な資産形成の手段として検討できます。