「期待してないから」小久保監督の辛口エールは前向きに解釈 ソフトバンク笹川吉康、日本シリーズでのスタメン抜てきに「期待してくれているんだな」
◆SMBC日本シリーズ2024 第4戦 ソフトバンク0―5DeNA(30日、みずほペイペイドーム) ■投げ終わった後のしぐさと笑顔がたまらん…山下美月の始球式【写真複数】 日本シリーズ初出場の若鷹が想像を超える活躍を見せた。「誰もがうまくいかないという目で見ていると思うので、自分は楽しみだった」。4年目の笹川吉康外野手(22)がシリーズ初安打と初盗塁を記録。守備では補殺も決め、走攻守で躍動した。 29日の夜、奈良原浩ヘッドコーチからメールが届いた。「明日の試合(30日)はスタメンでいく」。その文字を見た笹川は「やっと来たか」と心躍らせた。 試合当日、グラウンドに行くと小久保裕紀監督から「期待してないから」と告げられた。つれない一言でも、笹川は言葉通りには受け止めなかった。「期待してなかったらスタメンで使わんでしょ。期待してくれているんだな」。2軍監督時代から指導を受けてきた小久保監督の意図をくみ取り、余計にやる気がみなぎった。 「9番左翼」で初めて日本シリーズの舞台を踏みしめた。「ここで(野球を)やることを目指してきた。萎縮している場合じゃない」。緊張ではなく、興奮していた。初打席は三ゴロに倒れた。続く6回、先頭での第2打席。「1打席目で本塁打は無理だなと思ったので、ヒットに狙いを変えた」。チームが打ちあぐねていた左腕ケイの高めのツーシームを捉え、左前への自身初安打を放つと、その直後には二盗も決めた。7回の守備では、二走の本塁生還を阻止する送球も披露。「当たり前のことを当たり前にできた」と淡々と振り返った。 チームは連敗を喫し、2勝2敗の五分となった。痛い黒星にも、小久保監督は笹川について言及。「こんな大舞台に動じることなく、しかも走りましたしね。なんか楽しみです」と目を細めた。「日本一に貢献できるように、気を抜かずにいきます」。成長株が大舞台で得た自信は計り知れない。(大橋昂平) 【#OTTOホークス情報】
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