「スターへの憧れを食い散らかされた」ジャニーズ性被害の石丸志門さん スマイル社との裁判控え、思いを吐露
●カウアンさんの会見で「洗脳がとけた」
転機は2023年4月に突然訪れた。元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが記者会見で、ジャニー喜多川氏からの性被害を告白したことだった。 「あの会見を見て洗脳がとけました。(ジャニー喜多川氏による性加害が)そんなに長い間続いていたのかと衝撃を受けました。彼らだけに押し付けてはいけない。自分が先頭に立たなければならないと思いました」 30歳ほど年下の若者が自分と同じ性被害を受けていたと知り、その期間の長さからして潜在的な被害者の多さを考えずにはいられなかった。 「僕は当時、あれはしょうがないと思い込むしかありませんでした。そうしないと自分の自尊心が維持できない。これまで『なんでこんなに体の調子がよくならないんだろう』と思っていましたが、洗脳がとけてようやく腑に落ちました」
●あえて「金目当て」発言、その真意
スマイルアップ社のHPによると、12月13日時点で補償申告があったのは計1008人で、このうち530人に補償金が支払われたという。 石丸氏はこれまで、スマイルアップ社に18億円超を要求したり、メディアの取材に「お金目当てです」と主張したりしており、その姿を間接的に見聞きした人からネット上で誹謗中傷を受けるなどしてきた。 公の場であえてそうした発言をしてきた理由を尋ねると、次のように返ってきた。 「オーディションを受けただけの人も含めると、被害者はもっといると思います。補償額について自分が金額を上げていかないといけないと思ったのは、被害を受けた他の人たちの補償額のベースを上げたいというのが出発点です。 金目当てと見られるのは覚悟の上です。法律の枠内で話が進んでも、それじゃ全然意味がありません。すべての被害者を救うためなら、恥も外聞もなく表に出ていくつもりです。 スマイルアップ社が被害者への補償後に廃業するつもりなら、利益剰余金を被害者に均等に分配すべきじゃないでしょうか」 誹謗中傷から身を守るため、SNSのアカウントや、記事にコメントがつけられるYahoo!ニュースのアプリをスマホから削除するなど、目に触れない環境を意識的に作っているという。 「(ネット上の誹謗中傷は)とにかく見ないようにしています。世の中が何を言おうが、自分の気持ちをぶらさずに突き進んでいこうと思っています」