祖母の荷物を整理していると「年金手帳」が3冊も出てきました。しかも全部 “色” が違います。手帳は廃止されたので処分しても大丈夫でしょうか?
自分はその都度、手続きをしていると思っているのに、気が付いたら年金手帳が複数あるという人もいるようです。年金手帳は廃止されたため、廃棄してもいいと考えてしまいがちですが、手元にある年金手帳に、自分でも忘れていた年金に関する記録が残されていることもあります。今回は、年金手帳が複数冊ある場合について解説します。 ▼夫婦2人の老後、「生活費」はいくら必要? 年金額の平均をもとに必要な貯蓄額も解説
青色の年金手帳があるのか確認しよう
ご相談者さまのおばあさまが持っている年金手帳は全部で3冊。しかも、すべて色が違っているということですね。年金手帳が複数冊ある場合は、青色の手帳があるかどうかを確認してください。 青色の手帳に記載された記号番号は、おばあさまの基礎年金番号ですので、とても重要な番号です。 ご存じかもしれませんが、令和4年4月からは年金手帳は廃止され、基礎年金番号通知書に切り替わっています。つまり、青色の年金手帳の番号が年金の加入記録のベースとなるのです。 また、その他の色の手帳も、年金手帳の番号を確認するようにしましょう。 同じ番号の手帳があるようなら、どれか1冊を保管してください。また、番号が異なっているときには、年金加入記録が複数に分散している可能性があるため、記録をまとめる必要があります。 そもそも年金の加入記録は、「記号・番号」や「基礎年金番号」で管理・保存されています。 以前の年金制度では、厚生年金、国民年金、共済年金の各制度において、それぞれ別の年金番号(記号番号)が付けられていましたが、平成9年1月に、共済年金を含むすべての公的年金制度に共通の番号として「基礎年金番号」が導入されることになりました。 基礎年金番号が導入されたことにより、転職や退職などで加入する年金の制度が変わってしまっても、生涯にわたって年金の加入記録を1つの番号で管理できるようになったのです。
年金手帳の色別の状況とは
複数の年金手帳がある場合には、どのような色の組み合わせになっているのかを確認することも大切です。 (1) すべて青色の手帳の場合 基礎年金番号が二重に払い出されている状況になっています。 (2) 青色の手帳があるが、それ以外の色の手帳もある場合 基礎年金番号では管理できない記録がある可能性があります。 (3) すべて青色の手帳以外の場合 青色の手帳がない場合には、手元にある年金手帳で基礎年金番号を知ることはできません。そのような場合には、基礎年金番号通知書があるかどうかを確認することが必要です。 手元に基礎年金番号通知書があるときには、そこに記載されている番号が自身の基礎年金番号となります。基礎年金番号通知書が見つからない場合には、基礎年金番号通知書の再発行を申し出ましょう。