錦帯橋、5年に1度の健康診断 老朽調査の現場公開 年明けからシートかけ保全工事
山口県岩国市は22日、市内の国名勝・錦帯橋で始まった老朽調査の現場を報道陣に公開した。市から委託を受けた早稲田大の教授や学生たちが、木造の橋の劣化や腐朽の具合を調べる。老朽調査は5年に1度実施しており、平成の架け替え(2001~04年)の完了から約20年が経過した橋の今後の維持管理にデータを役立てる。 【写真】錦帯橋、5年に1度の健康診断 老朽調査の現場公開(全3枚) 橋の両サイドや下に足場が組まれ、早稲田大理工学術院の輿石(こしいし)直幸教授(60)と、同大の学生たち14人が21日から調査している。この日は5連の橋のうち第1橋と第2橋を主な対象に、橋の下に入って木製部材のひび割れや水染みの有無を目視で確認。金属製のハンマーでたたいたり、含水率計を使ったりして腐っていないかどうかを調べた。 調査は24日まで続け、結果を25年2月末までに市に報告する。 旧橋を含めて過去4度の調査を担当した輿石教授は「前回(19年)から極端に傷みが進んでいる感じはしない。露出して厳しい環境だが、木材を腐らせないよう建築的な工夫も見られるところも興味深い」と話していた。 年明けから、橋の両側面をシートで覆い、防腐剤を塗るなどの保全工事が始まる。25年3月中旬までの予定。この間も通行はできる。