【アライ RX-7X インプレ】モトGPライダーも着用する最高峰! 公道での実力はいかに?
トップクラスの静穏性、ストリートでもしっかり快適性を発揮
走り出すと静かさが際立つ。風切り音自体はそれなりに発生しているが、耳元に聞こえにくい。この静穏性は数あるヘルメットの中でもトップクラスと言っていい。特に同梱のチンカバーを装着していると非常に静かだ。 帽体の安定感も抜群で、高速道路の速度レンジでは不自然なリフト感や押し戻しもなく、非常に快適。また、フルフェイスは口元の圧迫感が気になる人もいるだろうが、口元のスペースが広めに確保され、チンガードの下部両サイドから積極的に換気してくれるため、息苦しさを感じないのがいい。下部からの走行風は引き出し式のエアロフラップである程度調整でき、チンカバーを装着すればシャットアウトできる。 ベンチレーションは直接走行風を感じるタイプではないものの、気温15度で40km/h程度から頭頂部のムレが緩和されていることを感じた。 改めて感心するのは、ベンチレーション用の開閉シャッターが全て半開可能ということ。昨今、こうしたシャッターはオンオフのみのモデルが多いが、走行中は状況が刻々と変化するため「ちょっとだけ風を通したい」なんて場面がある。実際はさほど半開状態は使わないにせよ、あった方がうれしいと筆者は感じるのだ。 スイッチが大型かつ操作しやすい形状なので、厚手のグローブで簡単に開閉できるのもさすがだ。
長い歴史による“おもてなし”の精神が息づく
レース対応モデルだと被り心地がタイトで疲れやすいイメージを持つ人もいるだろうが、街乗りやツーリングでも実に快適。音はロングランするほど疲れてしまうが、静穏性に優れたRX-7Xは実にラクチンだ。 長い歴史を持つメーカーのハイエンドモデルだけに各部の使い勝手も抜群で、ライダーへの“おもてなし”を感じるほど至れり尽くせり。積み重ねられたノウハウが結集されていると感じる。 各社の最高峰ヘルメットは高額化が進んでいるが、今では抑えた価格設定とも言える。ぜひ一度は被ってほしいモデルだ。
沼尾宏明