【島田順子さんメッセージ2】フランス人は意地悪という印象があるけれど、一度胸を開くと正直に話し合える
人生のほとんどをフランスで過ごしている島田順子さん。フランスの人と日々の関係を紡ぐ中で、気づき、共感し、ときには違いを実感し、馴染んできた、ものの考え方やふるまいを、改めて見つめます。 【画像一覧を見る】 【島田順子さんメッセージ1】人生のほとんどをフランスで過ごしても「私は心底日本人」 からの続きです。
個人主義で自己主張が強い。 でも理解しようとする心が大切。
フランス人は基本的に個人主義。その中でどのように人と人との関係性をうまく築いているのでしょうか。 「相手のことを認めるまでは、腹の中を見せてくれません。だから『フランス人は意地悪』という印象を持っているツーリストはたくさんいると思います。ヨーロッパは陸続きで容易に入って来られる分、外から来たものに対するガードが堅いんでしょうね。私はそう考えています。それは人間の本能だから仕方がない。でも一度胸を開くととても正直に話し合えて信頼感が生まれ、家に呼んだり呼ばれたりして仲良くなります」 順子さんもパリに来た当初は、文化が全然違っていて言葉もうまく話せない。そして相手になかなか受け入れてもらえずに戸惑うことばかりでした。 「でもそのときは『そういうものだ』と受け止めていました。せっかく本当に憧れていた場所に来ることができたのだから、いいものをたくさん吸収したいと思っていたので、相手の高い壁に弾き返されても悪くは解釈しませんでした」 フランス人の自分に対する正直さは、ある意味「私はこう思う」という強い自己主張につながります。こちらの意見とそれがぶつかる場合もしばしば。 「仕事の場では相手から驚くような主張をされます。私はメゾンのオーナーとはいえ日本人で、完璧なフランス語が話せるわけではないから、やっぱりどこかで壁が立てられているのでしょう。でもそれは自分の勉強不足が招いたことだから仕方がないなと思ってしまいますね」 一方で、長く住むうちにとてもわかり合える親友もできました。 「自己主張が強くても、相手をわかろうとする心が大切です。それがあればどんな人とでも話し合えるから。こっちでできた幾人かの心の親友は、外国にいるからでしょうか、何か戦友のような感覚。より深くわかり合える気がします」