巨人・桑田のクセを丸裸にした打撃職人、和田豊氏が佐藤輝の覚醒を後押しする 「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記
佐藤輝明内野手(25)はまだまだ伸びる。もっとすごい打者にならなければなりません。来季から1・2軍打撃巡回コーディネーターに就く和田豊2軍監督(62)との新たな接点が、いい出会いになることを祈ります。藤川球児新監督(44)の下で来季のV奪回に向けて動き出した阪神の注目ポイントは佐藤輝です。今季は打率こそキャリアハイの2割6分8厘でしたが、16本塁打はプロ入り後の4季で最低。打点70も昨季の92から大きく下降です。左の大砲という豪快なイメージが薄れた…と感じるのは期待度の高さゆえでしょうか。来季、打線の中心にサトテルが君臨していないと、V設計図は見えてこないですね。 【写真】「空いた時間があれば野球」小学生時代の佐藤輝明 ■藤川新監督への期待感 新しい時代が幕を開けました。岡田彰布前監督(66)の退任に伴い、藤川新監督が3年契約で阪神の第36代監督に就任。大阪市内のホテルで行われた就任発表の席に向かい、新監督の息吹を感じようと思いました。 まず今回の監督交代劇を最終的に承認した杉山健博オーナーが「藤川監督は必ずやチームを優勝に導いて頂けると思っています。チームは戦力的にも20歳代から30歳前後の選手が多く、まだまだ伸びしろがあります。優勝に導くためには選手の力を伸ばす、若い選手を成長させる。すべてできるのは藤川さん以外おられない」と絶大なる信頼と期待を表明しました。 続いて口を開いた藤川新監督は「勝ちに行く」と力強く宣言。具体的なチームプランについては新しいコーチ陣とのミーティングを開いていない状況とあって、明確な具体策は示しませんでしたが、やりたいと思われるゲームプランについては「(打線が)3点取ったら(勝利で)終わらせてくれる、安定した戦い」と話しましたね。つまり、打線が3点取れば、先発→中継ぎ→守護神がしっかり相手打線を最少失点に抑えて逃げ切るイメージでしょう。 ■得点圏打率は向上 藤川新監督は球界屈指のリリーバーとして虎の勝利の方程式を支えてきた投手でした。やはりリリーフ投手出身らしく、試合を最終回から逆算して組み立てるゲームプランを練っているのでは?と思いましたね。 ただし、データに基づくもう一方の視点を忘れてはいけないでしょう。今季のチーム防御率2・50は昨季の2・66よりも向上しています。それでいて勝利数は85→74に11も減らした。大きな理由が打線の援護のなさです。昨季のチーム得点555は485に70点減。84本塁打が67本に、盗塁も79が41に。点が取れないから負担が投手陣にのしかかり、チームの勝ち星も減った。やはり野球は点取りゲーム。点を取って、優位な状況を生むことが「安定して勝つ」ためにはマストでしょう。