友人を殺害した罪に問われている男の初公判で被告は無罪を主張 一旦は不起訴になり検察審査会が不起訴不当の議決により一転起訴に 静岡地裁沼津支部
3年前、静岡県富士市で友人の男性を殺害した罪に問われている男の裁判員裁判が地裁沼津支部で始まり、男は無罪を主張しました。 起訴状によりますと、被告(40)は2021年5月22日富士市の自宅で、友人の男性(当時37)を金属バットで複数回殴り殺害したとされています。 検察は被告が覚醒剤依存症で、責任を問えないと判断し、2022年1月一旦は被告を不起訴にしていました。 しかし、遺族の不服申し立てを受けた検察審査会がその年の10月、不起訴不当の議決を出したため、再捜査。 去年6月、一転殺人罪で起訴しました。
事件から3年余り。 11日から地裁沼津支部で公判が始まり、被告は 「殺意はなかった」と、起訴内容を否認。 弁護人も「心神喪失だった」と無罪を主張しました。 冒頭陳述で検察側は「被害男性らの声で『家屋を奪う』、『殺す』などの幻聴を聞き、殺されるなら殺してやろうと考えた」などと指摘しました。 覚醒剤の影響は著しく受けていたとしつつ、自首していることや急所の頭部を執拗に殴っていることを挙げ、「心神耗弱だった」と主張しました。 一方、弁護側は「被害者との間にトラブルなどはなく、覚醒剤の影響で自身の行動を抑制できない状態だった」と反論しました。 裁判では被告を鑑定した医師の証人尋問が予定されていて17日に結審。 25日に判決が言い渡される予定です。 難波亮太記者: 「覚せい剤依存症で20代のころから幻覚や幻聴があったと答えた被告。このことが殺害行為や当時の精神状態にどう影響を与えたのか。裁判員は難しい判断を迫られそうです」