尖閣の接続水域に中国公船、今年通算353日 年間過去最多更新 現状変更試み先鋭化
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海外側にある接続水域で29日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。尖閣周辺で確認されたのは年間で353日となり、平成24年の尖閣国有化以降、最多を更新した。6月には機関砲搭載船4隻が同時に領海侵入したことが初めて確認され、今年は力による一方的な現状変更の試みがより先鋭化した。 【地図でみる】中国公船の領海侵入件数と接続水域への航行日数 尖閣諸島は沖縄本島の西約410キロにある魚釣島、北小島、久場島などの無人島。接続水域は領海の外側12カイリ(約22キロ)の海域で、令和2年以降は年間330日を超える航行が確認されている。 海上保安庁によると今年の領海侵入(28日現在)は39件で、6月7日には砲搭載船4隻が同時に侵入。海警船は4隻セットで航行し、うち1隻だけが砲を搭載しているケースが多かったが、4隻すべての武装化が確認されたのは初めてだった。 また、日本漁船に近づき、執拗(しつよう)に追い回す事案は18件で過去最多だった3年に並んだ。接続水域の連続航行期間も昨年12月22日から今年7月23日までの215日となり、過去最長となった。 第11管区海上保安本部(那覇)の坂本誠志郎本部長は「周辺海域の情勢は依然として予断を許さない。領海警備に万全を期していく」とのコメントを出した。