心地よさは室温のコントロールから。寒さ&暑さ知らずの対策12。
対策4|窓下に専用のパネル式ヒーターを置いて暖める。
「雪が多く降る地域で見かけたことがある人も多いと思いますが、冬の窓際で起こるコールドドラフト現象を防ぐために、窓の下にパネル式ヒーターや電気式ヒーターを置くアイデアも効果が高い。窓ガラスで冷やされて下のほうへと流れてくる冷気を、窓際で暖めて食い止めてくれます」 ただ、カーテンが触れて火がつく可能性のある暖房器具は使わないこと。 「窓下専用タイプを選びましょう」
対策5|機能もいろいろ! ガラスフィルムを窓に貼る。
夏の日差しを遮るため、窓に機能性ガラスフィルムを貼るのもいい方法。 「窓フィルムはUVカット率が高く、災害時などに割れたガラスの飛散を防ぐ基本機能のほか、最近では遮熱タイプや、デザイン性が高く窓をおしゃれに見せてくれるタイプなど、種類豊富」
貼るときは「ガラスの種類、サイズ、方角などの条件によりますが、温度差で生じる熱割れを回避するためにも専門業者に依頼するのがおすすめ。仕上がりもきれいです」。
対策6|マンションでも可能、 内窓を取り付けて快適な室温を維持。
「今年、国が推進している窓の断熱リフォームで補助金の対象となるのが、今ある窓の内側にもう1セット、断熱性の高い樹脂製などの窓枠とガラスを取り付ける『内窓』。工事は1カ所1~2時間くらいで済み、窓と窓の間に空気層ができるために結露を防ぎやすくなったり、防音効果が得られるなど、メリットがたくさん」 内窓の取り付けは窓の内側で行う改修なので、マンションでも工事がしやすいのもメリット。
対策7|断熱性の高い窓枠とガラスにまるごと交換する。
「今ある窓を交換する『外窓交換』も補助金の対象です。カバー工法という、窓を外し、既存枠の上に樹脂製など断熱性の高い窓枠とガラスを新たに取り付ける方法があり、これなら外壁を壊すことなく1カ所半日ほどで工事が終わるので人気です」
下はサーモグラフィカメラによる試験結果。断熱性の低い窓(上)は外の寒さの影響を受けやすいが、断熱性の高い窓(下)に交換すると、室内が冷えにくく暖かく保てることがわかる。
対策8|オーニングや緑のカーテンで直射日光を遮る。
「夏の暑さ対策は、窓の外からの強い直射日光を遮るのが効果的なので、日除けの設置もおすすめ。窓がベランダやウッドデッキに面していたら、熱を蓄えやすい外のコンクリートや地面まで覆うことができる、ロールスクリーン型のオーニング(外壁から張り出した開閉式の布製の庇)を取り付けると、見栄えもよくベランダ周りがおしゃれな雰囲気に。使わないときはくるくると巻き取って収納できるのも便利です」 昔ながらの暮らしの知恵、窓の外でヘチマやゴーヤーなど、つる性の植物を育てて日除けにする〝緑のカーテン〟も室内の温度を抑えることができる。 「植物の葉には水分が蒸発するときに周りから熱を奪う蒸散作用があるので、窓から室内に吹き込んでくる風が涼しく感じられるよさもあります」