ドナルド・トランプの復活を影で画策した「最強の女性政治コンサルタント」、スージー・ワイルズとは?
NFLのスター選手の娘
スージー・ワイルズが政治に関わるようになったのは1979年のことだ。パット・サマーオール(プロアメリカンフトボールリーグの「NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)」の選手からスポーツキャスターに転身)の娘であるスージーは22歳のとき、父親の元チームメイトだった共和党のジャック・ケンプ下院議員のアシスタントとして政治の世界に足を踏み入れた。1年後、ロナルド・レーガンの大統領選活動に選挙プランナーとして参加する。レーガンが第40代大統領に選出されると、若いスージーは労働省に入省し、レーガンの側近のひとり、「メディアの達人」と呼ばれたマイケル・ディーバーの下で多くを学んだ。この時期には夫となるラニー・ワイルズとの出会いもあった(その後2017年に離婚)。ラニーは共和党員で、同じくレーガン政権で働いていた。結婚したふたりは1985年にジャクソンビルの近くに引っ越し、スージーは娘2人を育てるかたわら、政治や共和党に関わり続ける。当時のジャクソンビル市長であったジョン・ディレイニーの首席補佐官となり、その後ティリー・ファウラー議員の下で働き、やがて歴代のジャクソンビル市長のアドバイザーを務めた。 共和党全国委員会会長を務めたロンナ・マクダニエル委員長はCNNの取材に対し、「スージーは、男性優位の環境にあって、極めて有能でした。困難な政治環境のなかで目標を達成し、共和党候補を勝たせる手腕は、他の追随を許しません」と語っている。
側近中の側近
スージーはいまやドナルド・トランプの側近中の側近だ。そもそもとほとんどの時間を、ニュージャージー州ベッドミンスターにあるトランプのゴルフクラブのオフィスか、トランプが所有するリゾート施設、マー・ア・ラゴ・リゾートで過ごしているようだ。トランプの周囲の人の話によれば、スージーと話すからと、トランプから電話を切られることもよくあるそうだ。8月初め、ベッドミンスターでハンガリーのヴィクトール・オルバン首相とトランプが会談した際、トランプの右隣に彼女が座っていたことも、その影響力を物語る。 「(トランプの)周りの人たちは、スージーが好きか嫌いかはともかく、彼女は問題を起こさない人物だということは認めています」と、かつてトランプ政権で高官を務めていたマイケル・カプトはCNNに語った。スージー・ワイルズが次期ホワイトハウス首席補佐官に起用されたのも当然の成り行きなのだ。
text: Ségolène Forgar (madame.lefigaro.fr)