ショパン国際ピアノコンクール概要発表 来年10月予選・本選 世界のピアニストを輩出
ピアノコンクールの世界最高峰、第19回ショパン国際ピアノ・コンクールの概要が発表された。本選は来年10月にワルシャワで3週間にわたって行われる。コンクールを主催するポーランド国立フレデリク・ショパン研究所のアルトゥル・シュクレネル所長は「コンクールは若きピアニストたち、聴衆に興味を持ってもらわなくてはいけない」と話す。前回は反田恭平が2位に入るなど日本では大いに盛り上がったが、次回はどうだろうか。 【写真】「コンクール期間中はホテルの朝食が食べられず」前回4位に入ったコンクールの思い出を話す小林愛実 ■課題曲に「幻想ポロネーズ」追加 ポーランド大使館(東京・目黒)で6月19日、シュクレネル所長、コンクール・プロデューサーのヨアンナ・ボクシュチャニンらが記者会見した。スケジュールは、参加申込書の提出が今年9月2日から12月15日。応募書類をもとに約160人を選び、来年4、5月に予備予選が行われる。本選に残れるのは約80人。10月2日にコンクールのオープニングコンサート。1次から3次までの予選を行い、18~20日がファイナルになる。 課題曲はすべてショパンというのがコンクールをユニークなものにしている。大きな変更となったのはファイナルの課題曲で、2曲のピアノ協奏曲のいずれかだけではなく、「幻想ポロネーズ」を加えたこと。 シュクレネル所長は「これまで緊張からすぐに音楽に入っていけない参加者がいました。音楽に入っていく時間を与えたいと思ったのです。『幻想ポロネーズ』は作品番号61で、ショパン晩年の成熟した作品です。若いときの協奏曲と合わせて弾いてもらい、ジャッジしたい」と話した。 ■世界最古のコンクール ショパン・コンクールは1927年に第1回が開かれた世界で最も古いコンクールの一つ。第19回がコンクール100周年を祝う記念事業の始まりになる。戦後はほぼ5年おきに開催され、前回はコロナ禍のため2021年に行われた。コンクールのアイデアを出したイェジ・ジュラヴレフ教授は「ショパンの音楽やその演奏に、スポーツの要素を少し持ち込んだらどうかというアイデアを思いついたのです」と語っている。 コンクールは審査員たちの点数による順位の決定という審査方法を取る。芸術の評価基準はあいまいで、点数化することの是非は今でも議論がある。