吉村順三に黒川紀章…日本を代表する建築家たちの名前がずらり!雨の日に行きたい建築がスゴイ博物館とは
静岡市歴史博物館〈SANAA〉/静岡県
静岡市歴史博物館は、2023年1月に開館したばかりの新しい博物館です。 妹島和世さんと西沢立衛さんによる建築ユニットSANAAが手掛けた本館は、漆喰調の外壁や木製の建具、庇や下屋などによって歴史的景観を残す街並みと調和するデザイン。徳川家康が築城した駿府城から大手御門から二ノ丸堀に続く動線を建物の内部にまで繋げています。 館内では、駿府の城と街をつくった徳川家康や現在の静岡にも影響を与えている今川氏、東海道など静岡市の歴史について深く踏み込んだ展示が行われています。特に注目すべきは採掘現場をそのままに展示したエリア。戦国時代の道と石垣の遺構を建物内に引き込んだ、珍しい展示方法が注目を集めています。 静岡市葵区追手町4-16
鳥羽市立 海の博物館 〈内藤廣〉/三重県
1971年に開館し、1992年に移転した鳥羽市立 海の博物館。ここでは、人と海との関わりや漁村の文化を多角的に伝えています。「どんなモノでも集める」を心がけて集められた実物資料は6万点を超え、そのなかには6,879点もの国指定重要有形民俗文化財も含まれています。 内藤廣さんが設計を手掛けた移転後の建築は、庭や池といった自然風景を取り入れながら6棟が点在しています。平面的で横の移動を重視したことにより、増え続ける資料の移動が容易になるだけでなく、訪れる人にとっても疲れずに展示を回ることができます。また、豊富な資料だけでなくここでしかできない体験も充実しており、大吉半島の生きもの観察や漂着物観察や、海にかかわるものを使った、アート・クラフト体験も実施しています。 三重県鳥羽市浦村町大吉1731-68
京都国立博物館〈片山東熊、谷口吉生〉/京都府
平安時代から江戸時代にかけて日本の中心であった京都。京都国立博物館では京都にまつわる文化財を中心に、国宝、重要文化財を含む8000を超える文化財を収蔵、展示しています。 写真の「明治古都館(旧 帝国京都博物館 本館)」は、奈良国立博物館本館や東京国立博物館 表慶館の設計に携わった片山東熊が手掛けました。フレンチルネサンス様式の建築は重要文化財に指定されています。2013年には、谷口吉生さんの設計による「平成知新館」が開館。クラシックな「明治古都館」とは対照的に直線を基本とするモダンな建築ですが、障子のようにも見えるすりガラスや格子、庇など日本的な要素も感じられるデザインです。平常展示特別展の両方を行っており、当館の中心的施設となっています。 ※明治古都館は改修工事などにより現在は展示を休止中です。 京都府京都市東山区茶屋町527