福祉団体から物価対策求める声相次ぐ(自民政策懇談会)
自民党は11月21日、予算・税制等に関する政策懇談会を開催した=写真。年末の予算編成前に毎年行われているもので、福祉関係団体からは引き続き物価高騰対策を求める声が相次いだ。 福祉関係の20団体が所属する全国社会福祉協議会政策委員会の平田直之委員長は、介護施設による電気、ガス、食料の負担は3年前と比べて年1900万円増えていると説明。その上で「公的価格で経営する我々にとって安易なコスト削減はサービスの低下に直結し、価格転嫁ができない」と述べ、継続的な財政支援を求めた。 また、1月の能登半島地震では、DWAT(災害派遣福祉チーム)の派遣や災害ボランティアセンター運営な どの活動を継続してきたと強調。こうした支援を災害発生時に迅速に行えるよう、災害法制に福祉を位置付けるよう要請した。 さらに、現状で非正規が6割を占める社協職員の正規化に向けた財政措置や、来年に一斉改選となる民生委員・児童委員の成り手確保のための国・自治体の取り組み強化と活動環境の整備も求めた。 同様に全国社会福祉法人政治連盟の塘林敬規幹事長も物価高騰に対する継続的な財政支援や福祉人材の処遇改善などを訴えた。 このほか、全国老人福祉施設協議会と全国介護福祉政治連盟は、4年前と比べて電気代が155%、給食費は156%に跳ね上がっている状況を紹介し、財政支援を要望。経営の安定化に向けて報酬改定の中間年に、報酬の賃金・物価スライドを導入することも提案した。 全国介護事業者政治連盟も今年度の介護と障害福祉サービスの報酬がプラス改定になった分を上回る物価高騰だとして、年収の3%程度に相当する新たな処遇改善施策を訴えた。