「一歩踏み出すことで成長」旅をテーマにした障がい者のアート作品を表彰
世界中の障がい者からアート作品を募集するコンテスト「パラリンアート世界大会2023」の表彰式が1月23日、東京都内で開催され、グランプリにはスペインのアーティスト、ポンボバルセロナさんの「A week journey in my world」が輝いたほか、世界各国のアーティストの作品が表彰された。 グランプリに選ばれたのは、鍵や傘などの身近な品々から自動車、鉄道まで様々なものを丹念に描いた作品。ポンボバルセロナさんは、「1週間にわたって自分の心の中の世界を旅した記録を描いた」といい、そこから自身の「未来」を見つめたという。 かつてスペインとベルギーで、日系自動車メーカーで働いた経験があり、仕事を得るために他国に移り住む経験もした。そんな経緯が、絵のなかの自動車や鉄道に現れている。ポンボバルセロナさんは「私にとって、絵を描くことは自分を『修理』することです」とほほ笑む。「グランプリを受賞したおかげで、あこがれの日本への旅が実現して、本当にうれしい」と語る。 グランプリ作品「A week journey in my world」はこちら
このコンテストは一般社団法人 障がい者自立推進機構(東京都港区)が募集しており、『「旅」~Journey~』がテーマとなった今回は世界23の国・地域から488点の作品が寄せられた。 準グランプリに選ばれたのはRIEさん(岡山県)の「命の旅」と与那覇俊さん(沖縄県)の「無題」。 この日は、協賛各社などから贈られる賞も発表された。パーソル賞には田尻はじめさんの「成長の旅路」が輝いた。 田尻さんは、「私たちの人生はいろいろなことが起きます。それらを乗り越えた時、人は成長し、前に進むことができます」と言い。「何もしなければ、失敗もしませんし、成長もしません。失敗を糧にして人生を楽しむことができたら、私たちの人生はもっと豊かになると思います」と力を込めた。 そして「一歩踏み出すことで成長できる」という思いをこの作品に込めたと強調した。 パーソルグループからはパーソルダイバース株式会社の渡部広和社長が表彰式に登壇。田尻さんが作品に込めた「旅と人生は似ている」や「自分の足でその一歩を踏み出さなければいけない」という思いが、「我々のグループの、自分の”はたらく“は、自分で決める」の考え方と通じている、と田尻さんの作品をたたえた。 田尻さんへは、パーソルダイバースが運営し、多くの障がい者が雇用されている「よこはま夢工房」「まえばし彩(いろどり)工房」「ぺあ工房」の菓子が副賞として贈呈された。 このほか、「東京理化賞」に決まったのは峯愛実さん(愛知県)の「幸せの種まく人生」、meiji賞には、KOTOさんの「日本ものがたりの旅」、「パークホテル東京賞」が呉飛瑶さん(岡山県)の「取経之旅」、XPPen賞が、Colored pencils さん(イラン)に授与された。 また審査委員による賞も2点、表彰された。櫛野展正賞は浅海和宏さん(東京都)の「ドリーミング」、田尾圭一郎賞は、HARUMARU(ハート)さん(岡山県)の「宙へ―夢へのカウントダウン―」へ贈られた。