新潟・柏崎市長選、現職が大差で3選 柏崎刈羽原発の再稼働を条件付き容認
任期満了に伴う新潟県柏崎市長選は17日、投開票が行われ、無所属現職の桜井雅浩氏(62)が、いずれも無所属新人で、反原発市民団体の共同代表で飲食店経営の阿部由美子氏(62)と、会社員の野本祐二氏(58)に大差で勝利し、3選を果たした。 今回の選挙は、同市などに立地する東京電力柏崎刈羽原発の再稼働の是非が争点になった。有権者は、再稼働を条件付きで容認する桜井氏を選択したことになる。 桜井氏は午後9時前、当選が確実になると、市内の選挙事務所で支援者らと万歳三唱。3期目に向けて、「経営母体が経営危機に直面する柏崎総合医療センターをどんな手段を使っても守る。また、柏崎を原発や再生可能エネルギーといった脱炭素エネルギーでものづくりを行う日本のトップランナーにする」と抱負を語った。 桜井氏は、同原発の一部について廃炉計画の明確化など7つの要望を東電に提示し、要望が満たされることを条件に再稼働を容認する立場をとる。今年8月には東電の小早川智明社長に対し、要望がおおむね満たされ、再稼働を容認できる状況になったと伝えた。 一方、阿部氏と野本氏は告示日(10日)の当日や直前に立候補を決断。準備不足は否めなかった。 当日有権者数は6万6016人。投票率は53・70%(前回は62・80%)と戦後最低を記録した。 同原発が立地する刈羽村でも今月12日、再稼働容認の立場をとる現職の品田宏夫氏(67)が無投票で7選を決め、2つの立地自治体の首長はこれまで通り容認派が務める。 同原発の再稼働問題は、新潟県の花角英世知事が再稼働の是非についてどのような判断を下すかにかかっている。そのため、桜井氏は「私の当選は再稼働問題の行方に影響しないのではないか」とした。