パリ五輪ボクシング女子 台湾選手に性別疑惑 体育署「出場資格に問題ない」
(台北中央社)パリ五輪に出場するボクシング女子57キロ級台湾代表の林郁婷を巡り、一部で性別を詐称しているとの疑惑が持ち上がっている。教育部(教育省)体育署の鄭世忠(ていせいちゅう)署長は7月31日、林は規定に従って五輪出場の機会を得ていると強調。医学的な報告書も国際オリンピック委員会(IOC)に提出しているとし、出場資格に問題はないとの認識を示した。 一部海外メディアの報道などによれば、林は昨年の世界選手権で性別テストを受けた結果失格になったという。小説「ハリー・ポッター」の作者、J・K・ローリング氏も30日、X(旧ツイッター)を更新し、英ガーディアン紙の報道を引用した上で林のパリ五輪出場について疑問を投げかけた。 鄭署長は体育署の報道資料を通じ、このような差別的な言論はメディアを通じて林の試合に臨む気持ちに影響を与えようとしていると懸念を表明。台湾の人々に対し、試合の最前線に立つ選手に向けてエールを送るよう呼びかけた。 また行政院(内閣)の陳世凱(ちんせいがい)報道官も1日、林の性別について疑う余地はないと疑惑を一蹴した。 2023年の杭州アジア大会で金メダルに輝いた林。パリ五輪では2日に初戦を迎える。 (呉書緯、頼于榛、黄巧雯/編集:齊藤啓介)