地平線が丸く見える? 見晴らし抜群の冬こそ登りたい! 丹沢「大山」関東平野を一望する、山頂からの絶景!
12月に入り、雪のエリアも広がり、天気図をみると冬型の気圧配置になってきた日本列島。 ■【画像】広い関東平野の先には相模湾が、たなびく稜線の向こうには富士山も見える! スケールの大きい展望に地球の大地を感じることができる「大山」ハイキング(写真をすべて見る) 神奈川県の北西部に広がる丹沢山地は東西に約40km、神奈川県の6分1の面積を占める。蛭ヶ岳(ひるがたけ・標高1,673m)を最高峰に1,200~1,500m級の山々が連なる丹沢は都心からのアクセスもよく、本格的な登山を楽しめることから、多くの登山者が訪れる。アルプスなどに比べ、降雪も少ないことから冬でも人気の山域だ。 今回は丹沢の中でも特に人気の高い大山(おおやま)を紹介したい。大山は神奈川県伊勢原市、秦野市、厚木市にまたがる標高1,252mの山で、日本三百名山に選ばれているほか、ミシュラングリーンガイドジャポンで一つ星を獲得していることもあり、観光地としても名を馳せている。 大山には多くの観光客が訪れるが、今回は観光客のあまりいないコースを紹介したい。静かに歩きたい人におすすめだ。
■ヤビツ峠を起点に最短ルートで山頂を目指す
起点となるのは、標高761m地点にあるヤビツ峠だ。ヤビツ峠のある県道70号線は秦野市と宮ヶ瀬を繋ぐ林道で、東名高速・秦野中井ICからヤビツ峠までは約30分。丹沢山や塔ノ岳へと続く丹沢表尾根の起点となる場所でもあり、またロードバイクの登坂トレーニングの名所としても知られているので、ハイカーやサイクリストで賑わう場所だ。 ヤビツ峠から大山へは約1時間35分で、距離にするとおよそ2.3kmだ。樹林帯歩きがメインになるが、木々の間から眺望を楽しむことができる。 昨今では丹沢エリアでも特に大山や宮ヶ瀬ではヤマビルによる被害が深刻化している。そのため、気温の高い時期はヤマビルの活動期になるため対策や注意が必要だが、秋冬ならその心配も少なくなる。そういった意味でも丹沢は秋冬がおすすめだ。
■静かな森歩きで山頂を目指す
山頂までは樹林帯歩きがメインだ。紅葉が終わり、冬枯れした森は日差しがよく届くため、太陽の温もりを感じることができる場所が多い。晩秋から初冬になると朝晩はしっかりと冷え込むが、日中は汗ばむ陽気になることもあるので、ウェアの脱ぎ着で調整したい。 大山は観光名所としても知られていることから多くの観光客が訪れる。しかし、ヤビツ峠からのルートはハイカーの世界。距離が短いとはいえ、油断は禁物だ。登山道は整備されている箇所もあるが、トレッキングシューズでの行動が望ましい。危険を感じるような箇所はないものの、急な区間も多く、大きめの岩を乗り越えるような場所もある。 途中、ベンチが設置されているところもあるので、休憩をとりながら山頂を目指したい。 丹沢は鹿が多く生息しており、筆者が訪れた時も鹿に出会うことができた。人に慣れているのか、すぐには逃げず、シャッターチャンスをもらうことができたが、野生動物は不用意に近づくのは危険。遠くから見守る程度にしたい。 山頂までは登りが続くが、途中、開けたところからは丹沢の山々の向こうに富士山を望む絶景に出会うことができる。大山の山頂からは富士山は見られないため、道中の富士山の景色を楽しみながら歩こう。 やがて阿夫利神社方面からの登山道と合流する。合流後は山頂まで最後の登りが待っている。10分ほどで山頂だが、急なので所要時間よりも長く感じた。