【高校サッカー選手権】ハイテンポ・ハイスピード・ノーガードの試合はPK戦を制した石神井に軍配 GK吉田駿太、殊勲のシュートストップ
第103回全国高校サッカー選手権東京予選2次予選が10月13日、各会場で行われ、Bブロックでは都立狛江と都立石神井の都立高同士が対戦。0-0のまま延長戦でも決着つかず、PK戦へ。両チーム、3人目まで成功。迎えた4人目がともに失敗。そして5人目、GK12吉田駿太(3年)が見事に止め、石神井が4‐3でPK戦を制した。 【フォトギャラリー】都立石神井 vs 都立狛江 延長戦を含め、双方、無得点。一見、抑揚のない、おとなしいゲームを想像するが、そうではなかった。両チーム、絶え間ない攻守の切り替えを展開。激しい攻防が繰り広げられた。奪ったら前への狛江。MF21新田有琉(3年)を中心にMF4清水初榛(3年)、MF11伊藤駆人(2年)が前線に何度も顔を出し、チャンスを演出。 一方、石神井は攻守の要MF6堤慈瑛(3年)を軸にFW9豊田悠真(3年)やMF10木村舷人(3年)がゴールに迫った。 攻め合うものの、決め手がないまま迎えた後半12分。狛江、セットプレーからGKのファンブルを見逃さなかったMF11伊藤が押し込んだが、ノーゴールの判定となった。 均衡を破りたい石神井は後半、推進力のあるMF17谷尾快斗(3年)、FW21 柴田開次(3年)を投入し、攻撃の活性化を図った。 双方、交代カードを駆使しながら、ハイテンポ、ハイスピード、ノーガード、疲労を無視した向こう見ずなゲームが続く。 互いに迫れども決められず、試合は前後半80分、延長前後半20分、あわせて100分で決着がつかず、PK戦へ。石神井ベンチはGK1松本龍飛(3年)を下げ、GK12吉田を起用した。 GK12吉田について、石神井・西田陽監督は「PK戦にむけた練習で調子の良さを感じたので、信じて出しました。先発でもよい選手ですが、PK戦になったら使おうと決めていました」と采配的中となった。 両チーム、それぞれの時間帯があったものの、終始、攻め合いとなったこの試合。「ちょっとオープンな展開になりすぎたかもしれません」と振り返った西田監督は「いつもは良い形でボールを奪って、攻撃につなぎますが、狛江さんが守備の堅い良いチームなので、自分たちの展開に持っていけませんでした。そのなか選手は最後まで集中してくれました」と総括。薄氷の勝利に安どの表情がこぼれた。なお、勝った石神井は19日、明法と対戦する。 (文・写真=佐藤亮太)