20歳フィス、2夜連続のタフマッチを制して決勝へ!同じフランスの世界19位アンベールに挑む[木下グループジャパンOP]【テニス】
20歳フィス、決勝で3連敗中のアンベールに挑む
「木下グループジャパン・オープン」(東京・有明コロシアム/ATP500)シングルス準決勝が9月30日に行われ、アルトゥール・フィス(フランス/世界ランク24位)が、第6シードのホルガー・ルーネ(デンマーク/同14位)を2時間23分の熱戦の末に7-6(8)、7-6(10)のストレートで下し、ツアー通算3勝目にあと1勝とした。 【動画】タイブレークでの厳しい判定に落胆するフィス&マッチハイライト 昨年5月のATP250リヨンでツアー初優勝を果たし、21歳以下(2024年大会より20歳以下)で争われる「Next Gen ATPファイナルズ」でも準優勝となった20歳のフィス。今季は7月のハンブルクでツアー2勝目を挙げ、ATP500初のタイトルを手にしている。 それ以降、早期敗退が続いていたが、初出場となった今大会で躍動。1回戦で第1シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同7位)をフルセットで下すと、2回戦でマッテオ・ベレッティーニ(イタリア/同45位)、準々決勝でディフェンディングチャンピオンのベン・シェルトン(アメリカ/同17位)を3時間に及ぶ死闘の末に撃破して4強入りを果たしている。 日付が変わる直前に試合が終了したシェルトン戦では痙攣する場面があり、タフなコンディションの中で迎えた準決勝では、錦織圭(ユニクロ/同200位)を破った第6シードのルーネと対戦。今大会、シード勢として唯一ベスト4に残っていた相手に、この日も接戦をものにした。 第1セット、ブレークポイントを握ることなく、サービスキープが続いてタイブレークに突入する。拮抗した中、6-5と先にセットポイントを握ったのはフィス。続くポイントでは、ラリー戦の中で放ったショットを線審がアウトとジャッジ。だが、主審が判定を覆してポイントのやり直しになってしまう。ルーネを完全に崩してチャンスボールが返ってきただけに、フィスは落胆の表情を見せた。 それでも、8-8でミニブレークし、3度目のセットポイントをものにして7-6(8)でセットを奪取。反対にチャンスを生かしきれなかったルーネは、ラケットを叩きつけてフラストレーションを爆発させた。 第2セット、第2ゲームでブレークしたフィスだが、直後のゲームではロングラリーで先にミスしてしまいブレークバックを許す。その後も激しいストローク戦が繰り広げられ、再びタイブレークへ。フィスは6-3から追いつかれたものの、6度目のマッチポイントでネットからベースラインに走りながらフォアハンドのパッシングショットを決めて勝負あり。フィスはその場に大の字で倒れ込んだ。 「人生で打ったパッシングショットの中で最高のものだ。狙い通り打てたし、ラケットから飛び出していく瞬間は最高だった。素晴らしいショットが打てた」と自画自賛。「太ももが痙攣して自分に『これを決めなきゃ。そうでないとどうなるかわからない』って言い聞かせた。ショットの行方を見たら、この1週間の疲れで横になったよ」とした。 決勝では、過去3戦していまだ勝ち星のない同胞のウーゴ・アンベール(フランス/同19位)と対戦。9月中旬に行われた男子国別対抗戦デビスカップでは仲間として戦ったが、今度ばかりは違う。「彼に勝ったことがないからアンダードッグとして戦うよ。特に決勝において僕はこの立場が好きなんだ」と挑戦者として立ち向かう。
Tennis Classic 編集部