川崎重工・潜水艦めぐる裏金問題 「取引関係超えた緊密さ」遅くとも40年前から架空取引か?
海上自衛隊の潜水艦修理契約をめぐって、川崎重工業(本社・神戸市中央区)が架空取引で裏金を捻出していた問題で、防衛省は12月27日、2018~23年度の6年間の架空取引額が総額17億円で、裏金の一部は海自隊員との飲食などに使われたとする中間報告を公表した。 川崎重工、燃費データ改ざんも この問題は、川崎重工神戸工場の造船所で潜水艦修理を担当する修繕部と、下請け企業3社との関係で発覚。架空の資材発注で資金をプールしていたという。 架空発注資材は、工事の際に艦内の備品を保護するゴムシートなどで、大量発注しても不自然な点がなく、使用後には廃棄するため、購入実態を把握しにくい“盲点”があった。 修繕部の従業員が、潜水艦乗組員から整備作業に必要な物品の“要望リスト”を受け、物品を購入して乗組員に提供していた。 また、取引先企業が架空発注して得た裏金を使い、飲食費やビール券などの金券購入費のほか、一部の乗組員へはゲーム機や釣り具などの私的物品の提供も確認された。 乗組員の整備作業で使用される契約外の物品購入は遅くとも1985(昭和60)年ごろから続いていたという。 防衛省は、自衛官らの処分も視野に入れて調査を続ける。 川崎重工は、「単なる取引関係を超えた緊密な関係が構築されていた」事態を重くみて、防衛省向けの潜水艦の建造や修繕などを所管する今村圭吾常務執行役員の退任を決めた。橋本康彦社長は月間報酬の30%を5か月分、金花芳則会長も20%を3か月分それぞれ返上する。
ラジオ関西