ターゲット株が急落、通期見通し下方修正-ウォルマートと対照的
(ブルームバーグ): ディスカウントストアを展開する米ターゲットは20日、通期の業績見通しを引き下げた。売り上げが伸び悩み、在庫が積み上がっていることが要因。株価は通常取引開始前の時間外で一時20%下落した。
同社の経営陣は、米消費者が必需品以外への支出を減らしていると述べた。前日に通期業績見通しを上方修正したウォルマートとは対照的。ターゲットの利益は、港湾ストに備えて同社が在庫を積み増したことでも圧迫された。
投資家は、ターゲットが規模に勝る競合他社に市場シェアを奪われているだけなのか、他の小売業者も同様の苦境に直面しているのか疑問視している。
市場分析会社バイタル・ナレッジのアナリスト、アダム・クリサフルリ氏は「ターゲットの業績不振はウォルマートの強みの大部分が市場シェアの拡大にあることを浮き彫りにしている」と指摘。「消費者は『粘り強い』かもしれないが、目の肥えた倹約家でもある。ターゲットの不振はコールズ、ダラー・ゼネラル、ダラー・ツリーにとって好ましくない兆候だ」と述べた。
ターゲットのブライアン・コーネル最高経営責任者(CEO)は記者団との電話会議で、業績懸念の払拭(ふっしょく)に務めた。港湾ストなどは一時的な問題だとし、ホリデーシーズンの売り上げには明るい兆候が見えていると語った。
8-10月(第3四半期)の既存店売上高は前年同期比0.3%増にとどまり、ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均を下回った。5-7月(第2四半期)の既存店売上高は前年同期比2%増だった。
同社は通期の1株利益を8.30-8.90ドルと見込む。従来見通しは同9-9.70ドルだった。
マイケル・フィデルケ最高財務責任者(CFO)は「販売減速と一部のコスト圧力により、前四半期に上方修正した利益見通しを再び引き下げざるを得なかったのは残念だ」と述べた。
同社は5-7月に既存店売上高が前年比プラスに転じ、業績回復の兆しが見えていたが、今回の下方修正で投資家の懸念は再燃しそうだ。