毎日の食事を「非常食」に ローリングストックを提案 イオントップバリュ
イオントップバリュは8月29日、「防災と環境配慮」に関する商品発表会を行った。トップバリュのブランドビジョンである「人と地球とハーモニー」の実現に向け、人を守るための防災や復興支援、地球環境を守るためのオーガニック商品などの商品開発をはじめとする、取り組みについて説明した。
この中で土谷美津子社長は、毎日の食事が非常食に変わるとして、「トップバリュでローリングストック」を提案。「8月4日の日向灘地震の発生直後から翌日にかけて、宮崎県だけでなく日本中のあらゆるエリアで水需要が高まり、8月9日の神奈川県西部地震も重なり、天然水2Lケースの売れ数が全国的に急増し、前週比4倍で推移した。カップ麺やレトルト米飯、カレーなどストックできる食料品も相次ぎ品薄になった」と言う。 そのほか紙食器、パックご飯、乾麺、素麺、缶詰も大きく動き、お盆とも重なり、「輸送に苦労した」。肉や魚、野菜も気軽に摂れる冷凍食品は、今やローリングストックの位置づけに変わっており、「特に冷凍野菜の伸び率は130%と急増。いざという時だけではなく、普段からストックしておく商材という位置づけに変わってきた」。しかも実際に災害が発生したら、買い物に行けるか分からない、欲しいものが手に入らなくなるなどの声も高まった。 そこで同社では様々な商品カテゴリーでローリングストックを提案するが、「水やカップ麺の要望が多いが、地震後3日間連続してパンやカップ麺は食べられないため食物繊維を含む野菜の要望も多い」。そこで料理に使いやすい乾燥野菜や、常温保存が可能なローリングストック用の豆腐も提案。アレルギーのある人は避難所で食べるものがなく困っていることから、「ノンアレルギー食品も大きな存在だ」と指摘している。 「当社ではローリングストック商材として普段の食事と大きく変わることなく、主食、間食、おやつ、ペットフードなどあらゆる商品を提供できる」とイオントップバリュの髙橋幹夫取締役商品開発部長。「上半期は、賞味期限の長い防災食品を開発するスタンスはなかったが、直近の状況を考えると今後は防災に役立つ商品開発も視野に入れたい」とし、製造委託先とタッグを組みながら長期保存の技術や賞味期限の延長が適当かなどを検討する考えだ。