「山形のドクターK」西武のプロ4年目左腕が大躍進を目指す【プロ野球12球団ブレイク候補】
西武・菅井信也投手(21)が初めてシーズン最初から支配下選手として迎える今季、さらなる飛躍を目指す。 【写真】菅井信也が一日警察署長 2024年シーズンは充実感にあふれた1年だった。「(6月に)支配下選手になってすぐに初登板を果たして初勝利も達成できたので、総合的には良い1年だった」。 球持ちが良く伸びがあり、打者のタイミングを外す直球が魅力だ。21年育成ドラフト3位で山形・山本学園(現・惺山高)から西武入団。渡辺元GMも「強みはストレートの強さ。フォームが始動してからゆっくりだけど、最後のフィニッシュでしっかり力をボールに伝えられるから球速以上に速く感じる」と高く評価した左腕は、6月に支配下選手登録されると7月15日のオリックス戦で念願の初勝利。1軍では8試合に登板して1勝2敗1ホールド、防御率5・25。2軍では14試合に登板し3勝3敗、防御率2・72と急成長を遂げ、24年11月26日に行われたNPBアワーズではファーム優秀選手賞に輝いた。 1軍の舞台を経験したことで、新たな課題も見えた。初勝利後、最初の試合は1回1/3を投げ6失点、2試合目は2回2/3を投げ3失点といずれもリードを許し序盤に降板。「初勝利後、再びもらった先発の機会に2試合続けて早い回でマウンドを降りてしまったところは悔しい」と唇をかんだ。 今オフは「体を大きくして体力をつけたい」とシーズンを戦い抜く体作りに力を入れる。24年12月1日には所沢警察署の一日署長に就任するなどプロ野球選手らしいオフも過ごした。支配下選手登録という第一歩を踏み出した若武者は「打たれてしまった後やコンディションが悪いときでも、粘る投球がしたい。来年は今年を生かしてやっていきたいと思います」と力強く意気込んだ。高校時代「山形のドクターK」と呼ばれた左腕が25年を大躍進の年とする。(西武担当・大中 彩未) ◆菅井 信也(すがい・しんや)2003年6月28日、山形県南陽市生まれ。21歳。山形・山本学園(現・惺山高)では1年夏からベンチ入りし、同年秋から背番号「1」。甲子園出場はなし。21年育成ドラフト3位で西武入団。昨季は8試合に登板して1勝2敗1ホールド、防御率5・25。183センチ、80キロ。左投左打。年俸は670万円(金額は推定)。
報知新聞社