生成AIをカスタマーサポートに導入で顧客対応時間を5%削減する米家電量販店最大手のBest BuyのAI活用
米家電量販店最大手のBest Buyが、生成AIの活用によってカスタマーサポートの効率化、社内スタッフの負担軽減に取り組んでいます。Best Buyによる生成AIを活用した取り組みの展望と、近年の業績不振による社内体制の転換、今後の見通しについてまとめます。
生成AIアシスタントがカスタマーサポートをサポート
米国家電量販店最大手のBest Buy(ベスト・バイ)は4月9日、カスタマーサポートに生成人工知能(AI)を導入すると発表しました。Google Cloud、Accenture(アクセンチュア)と協業し、「よりパーソナライズされた、最高の技術サポート体験」と呼ぶ生成AIを活用したカスタマーサポートを提供します。リリースは2024年夏頃の予定です。 展開するのは自社ECサイト「BestBuy.com」、アプリ、コールセンター。顧客からの問い合わせに生成AIアシスタントが対応します。
AIアシスタントの導入で、配送スケジュールの変更、定期購入や会員アカウントの管理など顧客が自らが問題を解決できるようになるとBest Buyは説明しています。
また、Best Buyはカスタマーサービス担当者の負担を減らす目的でも生成AIを活用します。生成AIアシスタントは、顧客からの問い合わせにどのように対応すべきかを、担当者にリアルタイムで推奨。顧客との会話内容を要約し、将来的により良い提案を行うために通話データを利用することもできるそうです。 Best BuyのCEOであるコリー・バリー氏は2024年2月、投資家に対して次のように説明しました。 ┌────────── AIの活用によりデータ収集の精度が向上し、また、カスタマーサポート担当者が顧客に対応する平均時間は約5%短縮します。(バリー氏) └──────────
店舗の従業員も生成AIの恩恵を受けられるようです。Best Buyは、店舗従業員がより効率的に店頭の顧客をサポートするため、会社が保有するデータベースや商品の取り扱いガイドに簡単にアクセスできる生成型AIアシスタントの開発に取り組んでいます。また、バリー氏によると、Best Buyはより効率的な商品の配送・設置スケジュールの作成にも生成AIを活用しています。