政府、新たな経済対策の規模21兆9000億円程度で調整-NHK
(ブルームバーグ): 政府は、物価高への対応などを柱とした総合経済対策の財政支出の規模を21兆9000億円程度とする方向で調整に入った。NHKが21日報じた。
このうち国の一般会計からの支出は13兆9000億円程度、民間の資金もあわせた事業規模は39兆円程度になる見通しという。
石破茂政権にとって初の経済対策は、10月の衆院選での与党の過半数割れを受けて、政党間での調整が難航した。自民、公明は議席数を大幅に伸ばした国民民主党の要望を反映しつつ議論を集約する必要が生じた。政府は対策を22日にも閣議決定する。これを受け今年度補正予算案を編成し、年内の成立を目指す考えだ。
対策は「日本経済・地方経済の成長」、「物価高の克服」、「国民の安心・安全の確保」が3本柱となっている。最低賃金の引き上げや低所得者層に対する3万円の給付金を盛り込み、こうした支援を通じて国内経済の底上げを図る方針を明確にした。
国民が主張してきた年収103万円を超えると所得税が発生する「年収の壁」を巡っては、「税制改正の中で議論し、引き上げる」と明記。「ガソリン減税」については「自動車関係諸税全体の見直しに向けて検討し、結論を得る」とした。
宮沢洋一自民税制調査会長は21日、103万円の壁に関する記者団からの質問に対し、「財源について考えていかねばならないとの意見があった」ことを明らかにした上で、現実的に議論していきたいと語った。
半導体や人工知能(AI)分野では、2030年度までに10兆円以上の公的支援を行うとし、民間投資を引き出すための新たな枠組みを盛り込む。
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Takashi Umekawa