秋ドラマで活躍「期待の俳優」ベスト3。“発達障害の青年”熱演の27歳も凄いけど、NHKの“彼”にも釘づけ!
10月から放送を開始した秋ドラマが続々と最終回を迎えた。今クールも、今後の日本のドラマ界を背負ってくれそうな活躍を見せた若手俳優は多い。中でも、今後の活躍にひときわ注目したくなる、フレッシュな男性俳優3人について語りたい。
小林虎之介/繊細さと爆発力を持つ
まずは『宙わたる教室』(NHK総合ほか)で柳田岳人役を務めた小林虎之介(26歳)。本作は定時制高校を舞台に、さまざまな事情を抱える生徒たちの挑戦を描いたドラマだ。 柳田は日中はゴミ収集の仕事をし、仕事の後に学校に通っている高校生。文字の読み書きに困難を抱える「発達性ディスレクシア」という学習障害のために、勉強についていけず、周囲に馬鹿にされた過去を持つ。本作は理科教師の藤竹(窪田正孝)が主人公ではあるが、そんな柳田を軸にストーリーは展開されていく。 1話で藤竹は柳田のディスレクシアの可能性を指摘し、「一度ちゃんと診断を受けてみませんか?」と提案。続けて「柳田くんはとても聡明な人だと僕は思います」と優しく声をかける。すると柳田は「怠けてたわけじゃねぇ、努力が足りなかったわけでもねぇ」と泣きながら吐露する。その様子から、これまで頑張りが報われず、いかに諦め続けてきたのか、という柳田のしんどすぎる過去が感じ取れた。
感情を揺さぶるシーンにはいつも柳田が絡んでいた
また4話では、物理学の本を熱心に読んでいることを、最年長生徒の長嶺省造(イッセー尾形)に知られる柳田。長嶺に対して「笑いたきゃ笑えよ」と噛みつくと、「何で笑うんだね?」「この本を見てわかるのは『中身を知りたい』『何としてでも理解したい』という君の情熱だけだよ」と返される。これに柳田は照れながら「うっせえよ、じじい」と悪びれるしかなかった。その不器用さに思わずニヤニヤさせられ、柳田の茶目っ気を感じざるを得ない。 感情を揺さぶるシーンにはいずれも柳田が絡んでおり、柳田岳人という役を小林が務めあげていたことがうかがえる。爆発力が求められる演技から繊細な演技まで、幅広い表現力を見せた小林の今後に期待感を持たずにはいられない。