秋ドラマで活躍「期待の俳優」ベスト3。“発達障害の青年”熱演の27歳も凄いけど、NHKの“彼”にも釘づけ!
坂東龍汰/難しい役を演じきる力
次は『ライオンの隠れ家』(TBS系)で、アート事務所でアーティストとして活動する自閉症スペクトラム症(ASD)の青年・小森美路人役を務めた坂東龍汰(ばんどうりょうた/27歳)。とにかく、自閉症スペクトラム症という特性をもつ、この難しい役を見事に演じきったところがすごい。 SNSでも坂東の演技には賞賛の声が圧倒的に多い。当然、本作では自閉スペクトラム症の監修として伊庭葉子氏が制作に携わっているとはいえ、ここまで絶賛されることは珍しく、坂東の演技力を称えるしかない。
底知れぬ演技力を感じっぱなし
また、本作の魅力の一つとして決して“美路人の物語”にしていないことが挙げられる。発達障害をもつ人物が登場する作品は、その人物を中心に進行していくケースが珍しくない。しかし、本作では各登場人物の背景や心情を掘り下げ、美路人はあくまでその中の1人として扱われている。決して目立ちすぎず、かといって美路人というキャラを埋もれさせずに印象に残る演技を見せ続けており、坂東の底知れぬ演技力を感じっぱなしだ。 ちなみに、個人的には劇中でちょくちょく描かれる、美路人が自身の部屋を仕切っているカーテンを開け閉めする際のスピード感がたまらなく印象的だった。そういった細かいところにも愛らしさを覚えさせられるのも坂東の魅力なのかもしれない。
木原勝利/あまりに怖すぎる男
最後は『3000万』(NHK総合ほか)で、坂本を演じた木原勝利(きはらまさとし)。まず最初にことわっておきたいこととして、そもそも木原は現在43歳だ。加えて、長らく舞台を中心に活動しており、映画にも出演している。俳優としてのキャリアは十分ではあるが、ここ数年でテレビドラマ出演が目立つようになったため、今回はかなり強引ではあるがフレッシュな俳優と括らせてもらいたい。 木原自身にも、木原のファンにも申し訳なさを覚えながらも、今回「今後の活躍に期待したい俳優」に木原を加えた理由は、やはり坂本というキャラの存在感がすさまじかったからだ。坂本は闇バイトの指示役という悪いやつ。再三に渡って主人公の佐々木祐子(安達祐実)を追いつめる姿はあまりにもスリリングだった。