日銀 金融政策決定会合の主な意見公表 追加利上げに前向き意見相次ぐ
日本銀行は、追加の利上げを決めた先月末の金融政策決定会合での主な意見を公表しました。政策金利の引き上げについて、前向きな意見が相次いだことが分かりました。 日銀が8日に公表した先月30・31日の金融政策決定会合の「主な意見」によりますと、足もとの物価動向について「物価の上振れリスクに注意する必要がある」「価格上昇圧力が続くと考えられる」などと円安などを受け、想定より物価が上昇していく可能性を指摘する意見が複数出されました。 その上で、政策金利については「政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整することが適切である」「足もとの物価を取り巻く環境を踏まえると、小幅な利上げを検討してもよい時期だと考える」などと、追加の利上げに前向きな意見が相次いだことが分かりました。 一方で、「現時点では経済の持続的成長を裏付けるデータが少ないため、次回会合で重要な経済データを点検して変更を判断すべきで、今次会合での利上げについては反対する」「現状は、政策金利の引き上げがまったく不可能とは捉えていないが、経済成長率や消費など下振れ気味のデータが多いため、賃金上昇の浸透による経済状況の改善をデータに基づいてより慎重に見極める必要がある」などと、慎重な意見も出されました。 今後の金融政策については「経済・物価の反応を確認しつつ、適時かつ段階的に利上げしていく必要がある」「堅調な設備投資や賃上げ、価格転嫁の継続といった前向きな企業行動の持続性が確認されていけば、その都度、金融緩和の一段の調整を進めていくことが必要である」などと、今後も経済・物価の情勢に応じて追加の利上げを検討していくべきとの意見が複数出されました。