<独自・ウクライナ現地>自衛隊車両、東部戦線ドネツク州でロシア軍との戦闘任務に 現地取材で兵士証言【1】(写真 8枚)
◆ドネツク州の前線地帯に自衛隊車両 1/2トントラックが
ウクライナ東部ドネツク州、ロシア軍との戦闘地域にほど近い前線の町。二十数キロ先にはロシア軍が迫る。町にはまだ市民が残るが、迷彩服のウクライナ兵ばかりが目につく。時おり砲撃音が聞こえ、緊張感が漂う。兵士たちは戦闘地帯からこの町にやってきて人員交代や物資補給をする。ひっきりなしに道を行き交う軍用車。そのなかに、ダークグリーンの見慣れた車両があった。「もしや」と思い、車で追いかけた。しばらく走ると、駐車場に停まった車を見つけた。やはり自衛隊車両だ。運転席の兵士に声をかけると、取材に応じてくれた。(ウクライナ東部ドネツク州/玉本英子・アジアプレス) <ウクライナ現地報告>自衛隊車両、東部戦線で戦闘任務に ライフルホルダーにはFN SCAR【2】(写真 9枚)
◆「戦闘拠点で人員や弾薬を移送する任務に使っている」
ドネツク州の前線の町で見た自衛隊車両。ドアを開けて車内を見せてもらう。「防衛省・1/2tトラック」と日本語の銘板がついたままだった。1/2トントラックは、いわゆる三菱パジェロの自衛隊仕様車である。銘板には、物品番号も記されている。
昨年5月、日本政府はウクライナに100台規模の自衛隊車両(1/2トントラック・高機動車・資材運搬車)を提供するとした。うち一部はすでに中継地のポーランドに到着したことが報じられていたが、これはすでにウクライナ国内に届いた車両のうちの1台とみられる。
今回、現地で使われていることが明らかとなった自衛隊車両。では、どんな現場で、どう使われているのか。取材に応じたのは、外国人義勇兵部隊の兵士。義勇兵部隊は、ウクライナ国防省指揮下のもと前線地帯でロシア軍と戦っている。
話を聞いたのは兵士2人。いずれも外国人義勇兵だ。兵士Aは、国籍は明かさなかったが、ロシア語で話した。 ― この車両はいつ頃から使い始めたのですか? 兵士A: この車両が自分の部隊に届いたのは、今年の初め頃だ。2月初旬から使い始めた。 - どんな目的で使っていますか? 兵士A: 戦闘での任務に使っている。この車で最前線の戦闘拠点から後方に人員を移送したり、弾薬を運ぶこともある。