小学校の一室から始まった福知山市立図書館、開設100年で蔵書は250倍 「居心地が良く、探したいものが見つかる」施設に
暮らしを豊かにし、知的文化の拠点となる京都府福知山市立図書館。惇明小学校の一室でスタートしてから開設100周年を迎える記念の年となる。さらには、中央館が市民交流プラザ=駅前町=に移転し、10周年という節目も迎える。
市立図書館によると、1924年(大正13年)9月、内記五丁目の惇明小学校の一室で福知山町立図書館として開設したのが始まり。開館当初の所蔵数は1363冊で、その大部分は有志の寄贈によるものだった。事務は惇明小学校の職員が兼務していたという。 46年(昭和21年)11月には、御霊公園にあった市立迎賓館内に移転し、市立図書館として開館。場所は、御霊神社本殿の北側あたりで、現在は駐車場になっている。 当時の図書館をよく利用していた山段誠さん(76)=下新町=は、「本を借りたり、休みの日には勉強に行っていました。16ミリの映写機やフィルムの貸し出しもあって、家で見たのを覚えています。昔ながらの良い図書館で、たくさん学ばせてもらいました」と学生時代の思い出を語る。 旧大江町の発足間もない53年8月には、大江町河守の旧森林組合事務所を改修転用し、大江町図書館を開設。「保存版 福知山・綾部の今昔」(郷土出版社発行)によると、当時の京都府知事を迎えてオープン祝賀会が開かれ、広く町民に親しまれたという。
72年に市民会館内へ移転
72年5月に、元惇明小学校東校舎の敷地(市役所隣)に市民会館を新設し、1階に新館を開設。「1972年市勢要覧」(市発行)や当時の両丹日日新聞の紙面によると、2万5千冊余りの蔵書を有し、電動式棚や郷土資料室、一般閲覧室、新聞、雑誌コーナーなどが設けられた。市民会館は現在、ハピネスふくちやまになっている。 35歳の女性は「4階に市民ホールがあり、ピアノの発表会のあとに本を借りたり、入り口前のコイを見に行ったりしていました」と小学生のころに利用した記憶をさかのぼる。 その後、日新地域公民館に日新図書館(分館)、夜久野町教育文化会館内に教育文化会館図書室、三和町農業振興センター内に三和町図書室が開設された。