世界初の技術で魚のおいしさを可視化!?元金融マンがソフトバンクとタッグ!数字で読み解く“養殖マダイ”の可能性
そんな時に出会ったのが… 「餌ロボ。マダイがおなかいっぱいかどうか分かるんですよ」 この“餌ロボ”は、お腹が空くと海面に近づき、満たされると底の方に移動するというマダイの習性を取り入れています。
いけすの中でマダイが泳いでいる場所の水深を測ることで、エサやりのタイミングをAIが分析。エサの種類や量、タイミングなどのデータを3年間取り続けた結果、おととし、ようやく魚を一切使わない無魚粉でのマダイの大量養殖に成功したのです。 赤坂さん: 「鯛の丈夫さであったり、雑食で無魚粉でも育てられるっていう点がサステナブルだと思っている」
ソフトバンクと共同研究 マダイを刺身で冷凍出荷する理由は
この日、赤坂さんは松山市内の加工場に向かいました。 赤坂さん: 「キャリア会社のソフトバンクでAI関連の基礎研究の責任者をされている石若さんです」 10年先を見据え、デジタル技術を活用した取り組みを進める愛媛県は、3年前にソフトバンクと包括連携協定を締結。その中で、養殖業のデジタル化を図ろうと、赤坂水産と共同で研究を進めています。
赤坂さんたちは現在、その日の朝に獲れたマダイをすぐ捌いて熟成。冷凍した状態の“刺身”で出荷することを目指しています。なぜ、冷凍した刺身を作るのか… 赤坂さん: 「今までマダイという魚は50%以上愛媛がシェアを握っているが、活魚出荷だけをやっていくのであれば、首都圏に近い静岡や関西圏に近い三重とか和歌山とかに求められていくような動きがあります」 県外での需要がある一方で、今年4月にスタートした「トラックドライバーの時間外労働の上限規制」で物流の停滞が懸念されています。
そこで赤坂さんは、身として食べられる部分が全体の3割というタイを活魚のまま出荷するよりも、捌いてチルドや冷凍の状態で出荷することで活魚の約20倍の量が運べるようになると試算したのです。その実現のために必要なのが、最新のデジタル技術を活用した冷凍した魚の品質保証です。 ソフトバンク石若さん: 「あなたが今買おうとしている魚のおいしさ、うまみはこれぐらいで、鮮度はこれぐらいというのをわかるようなものを作っている。一応世界初ではあります」