従業員6人の会社で「経理」をしているけれど、毎月「1回5万円」の飲み代を“交際費”として処理しています。社長含む4人で「営業会議」をしているそうですが、不公平ですよね…?
特定の社員だけが経費を使用して食事をしていると、不公平に感じる人も少なくありません。こうした会食は「交際費」で処理するよう指示されるケースもあるようです。 本記事では、飲食代に関する福利厚生費と交際費の判断基準や、特定の社員だけで経費を使用した会食が行われている問題点と改善策について解説します。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
飲食代に関する福利厚生費と接待交際費の判断基準
本記事のケースでは社長と特定の従業員が会食をし、その飲食代を接待交通費として処理するよう指示されたそうです。なぜ今回の場合、「福利厚生費」ではなく「交際費」になったのでしょうか? ■飲食代に関する福利厚生費の判断基準 福利厚生費とは、会社が給与以外に慰安目的などのため社員に利用する費用を指します。 福利厚生費と判断する主な基準は、以下のとおりです。 ●一部ではなくおおむね従業員全員が対象 ●慰安が目的 ●社会通念上相当な範囲である そのため従業員全体での会食は福利厚生費となりますが、特定の従業員のみを対象とした場合は該当しません。 ■飲食代に関する交際費の判断基準 会社が事業に関係のある取引先や顧客などに支出した費用は、交際費の対象になります。交際費で処理するためには、主に以下の判断基準を満たしているか確認します。 ●事業に関係のある者が対象 ●事業の活動上必要である ●接待、供応、慰安、贈答などの行為である 「事業に関係のある者」は、会社の役員や従業員も対象です。つまり、本ケースでは、交際費として処理するのが適切であると考えられます。ただし、税務署から「事業に関係のない従業員との飲食」であると判断されれば、追加で課税されるケースもあるため注意が必要です。
本ケースにおける問題点
今回のケースは、交際費として処理しても問題ではないことが分かりました。しかし、以下が問題点として挙げられます。 ●従業員間の不公平感 ●会食の必要性が不透明 ●人数に対し高額な飲食代 本ケースの場合、毎月1~2回という頻度と1回あたりの高額な飲食代が、本当に必要なのかという疑問が生じます。参加していない従業員の不満や不信感が募れば、モチベーションの低下や離職にもつながりかねません。