3季連続V仙台大ハンドボール部の桑原康平監督「関わる人を増やしていきたい」東北から競技盛り上げる
仙台大ハンドボール部は5月に行われた東北学生ハンドボール春季リーグ戦で優勝し、3季連続で頂点に立った。同部を指導する桑原康平監督(43)は東北学生ハンドボール連盟の理事長も務め、競技普及にも力を入れる。パリ五輪では男子が36年ぶりに自力で出場を決めるなど盛り上がりを見せているハンド界を、東北の地から盛り上げていく。(取材・構成=秋元 萌佳) *** 今季は高校時代のキャリアがない選手が多い中でも東北リーグを制した仙台大ハンドボール部。桑原監督は「選手たちにも力がないという危機感があって火が付いた。タレントがいなくても守備で頑張れた」と3季連続でつかんだ頂点について振り返る。 チームは「真摯(しんし)な努力」「主体性」「まとまり」をキーワードに掲げる。「最後に生き残れるのは何事にも一生懸命に向き合って、やらされるのではなく自分でやる。その上で周りとの関係を築ける選手」と“三本柱”を大切に活動してきた。8月に岩手で行われる東日本インカレでは、強豪の関東勢らと全国切符を争う。「東北全体で関東勢を倒すことを目指して挑んでいきたい」と意気込む。 現在東北リーグは徐々にチーム数が減少。昨季に比べ、春季の出場は男子が14から10、女子は6から3チームとなった。「コロナの影響か、勧誘する側の人数も減ってきているのが現状。部分的に合同チームやオープン参加を認めていくなど対策を考えたい」と人数が少ないチームでも出場機会を増やす施策を模索中だ。 一方、今年のパリ五輪は男子が36年ぶりに自力で切符をつかむなど注目されている。「学生の中にも、上位の審判資格を取ったり、指導者を目指す選手もいる。競技力以外に、周辺で関わる人も増やしていきたい」。あらゆる方向からハンドボールの魅力を伝え、東北から競技の盛り上げに尽力していく。 ◆桑原 康平(くわはら・こうへい)1980年10月26日、山口県生まれ。43歳。03年から筑波大でハンドボール部のコーチを務め、04年はインカレで優勝。山口・下松高や山口県高校選抜などでコーチを務めた後、10年から11年は中京大で監督。12年から仙台大で勤務し、男女ハンドボール部の監督を務める。
報知新聞社