「自分がわからないから危険だと、ブレーキをかけないで」 小学生の親が意識したい「プログラミング教育」のとらえ方
2025年から大学入学共通テストにプログラミングなどを学ぶ「情報1」が必修科目として加わり、ますます注目を集める「プログラミング教育」。小学生の親はプログラミングをどうとらえ、子どもに親しませていけばいいのでしょうか。国内最大級の中高校生向けITキャンプを提供する会社「ライフイズテック」に立ち上げから関わっている讃井康智さんに聞きました。子育て・教育情報誌「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)花まる学習会代表 高濱正伸先生がホストになって対談を行う連載「もっと花まるTALK」から紹介します。※前編<小学生のプログラミング学習、何から始めればいい? 2025年から「情報1」が大学入学共通テストの必須科目に>から続く 【マンガ】スマホばかり見て勉強をしない高1の娘。何を見てるか聞くと、“意外”な答えが返ってきた!(全10枚) ■自分の半径50センチ以内、興味のあることから 讃井 小学生がプログラミングを始めるなら「スクラッチ」もおすすめです。みんな夢中になってやるし、大人顔負けのものを作りますよ。あるコンテストでは、その日の温度や天気、目的に合わせた服装を提案してくれる立派なアパレルリコメンドアプリを作ってきた子がいました。音も付いていてすごく魅力的でした。 高濱 もともと子どもには夢中になる能力も成長する力も大人以上に備わっているからね。プログラミングに関しても、とにかく入り口が大切なんだ。 讃井 そうなんです。デジタルで新たなものをつくり、社会課題を解決するデジタルイノベーターの課題設定にしても、子どものうちは、まずは身近なこと、自分の半径50センチ以内の興味のあることでかまわない。世界平和や環境問題を課題にしてもいいけれど、自分の忘れもの癖を直すのを課題にしてもいい。大人はどちらも肯定してあげないと。「よく気づいたね」と言ってあげてほしいですね。 高濱 ……なんだか昨日会った女の子のこと思い出すな。4歳なんだけど僕の似顔絵を夢中になって描き続けて、似てる似てるって、もうゲラゲラ笑うんですよ。ああいう感性って、子どもが持つたぐいまれなる能力のひとつですよね。 ■「好きなものが作れる」遊びとして楽しんでほしい 讃井 それ、通じるものがあります。プログラミングって、これまでのように、知識を覚えることからではなく、作ることから始まる学びなんです。何かを見たときに好奇心を持てるか、そしてまず作ってみようと思い、調べながら形にする、できたものを人に見せ、フィードバックを得て次の学びにつなげる。こういうサイクルが回って伸びていきやすいのがデジタルの良さだと思います。