中国の大手銀行、利ざや縮小で業績悪化-工商銀は約1年ぶり減益
(ブルームバーグ): 中国最大の銀行、中国工商銀行の四半期決算が約1年ぶりの減益となった。利ざやの縮小が続いている。
工商銀が取引所に29日届け出た1-3月(第1四半期)決算は、純利益が前年同期比2.78%減の877億元(約1兆9000億円)。純金利マージン(NIM)は2023年末の1.61%から1.48%に縮小した。
中国農業銀行の1-3月利益は1.6%減の704億元。NIMは23年末の1.6%から1.44%に縮小し、不良債権比率は1.32%に低下した。
両行とも前回の減益は22年10-12月(第4四半期)。10年余り前の香港上場後、1-3月の業績が落ち込むのは初。この時期は一般的に融資が急増するが、今年は融資の伸び悩みや利ざや縮小に手数料収入の減少が重なり、業績が悪化した。
中国銀行も1-3月の純利益は2.9%減の560億元。中国建設銀行は2.2%減の868億元で、NIMは23年の年1.7%から1.57%に縮小した。
中国の金融機関は、利ざやが記録的な低水準にまで縮小。政府はここ数年、銀行に対して貸出金利を引き下げ、資金繰りに苦しむ不動産セクターや地方政府などへの融資支援を強化するよう求めている。
原題:China’s Mega Banks Post Rare Profit Drops on Margin Squeeze (2) (抜粋)
--取材協力:Evelyn Yu.
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