世界遺産の熊野速玉大社で扇立祭の準備 檜扇が蔵出し
和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で3日、無病息災や五穀豊穣(ほうじょう)を願う扇立祭(14日)で神殿に供える檜扇(ひおうぎ)7本が蔵出しされ、2人のみこが朱塗りの台座をさらしで丁寧に磨いた。 【写真】ありがとう!感謝状が贈られた人たち 芸能人や犬も 檜扇はヒノキの薄い板を重ねて作られており、同大社は室町時代に作られたとされる国宝の10本を所有。いずれも木目の美しさを生かして彩色や金・銀箔(ぱく)が施され、花鳥風月を表現している。 虫干しを兼ねて蔵出しされた7本は、1964年に祭り用に模写されたもので、当日は本殿に高さ1・5メートル、幅1・65メートルの1本を、6カ所の社殿には高さ80センチ、幅1・3メートルのものを1本ずつ立てる。浜中孝成祢宜(ねぎ)(48)は「扇で疫病や暑さを払い、皆様に良い夏を過ごしてもらおうとの思いを持って祭りを執り行いたい」と話した。 祭りは午後5時半~8時。神事の他にサックス奏者の演奏や福引などもある。【松田学】