「有料マーケティングは10年以上良い結果を出せていない」: ジョリー CEOバベンジエン氏が語る、ポストD2C時代の事業戦略
シャワーヘッドの提案について再考する
「従来、シャワーヘッドの使い道は水を押し出すことだけだった。それが本来の機能だ。現在では水を出すだけでなく濾過することが不可欠となったため、すべてのシャワーヘッドがやがてフィルター機能を持つようになると考えている。我々が市場に参入したタイミングは必然だった。すなわち、需要があったときに、幸運にも市場に参入したということだ。しかし、我々はそれをゼロ番目のステップと呼んでいる。美容トレンドは変化し続けている。美容業界では毎日のように新商品が発売されている。化粧水、美容液、髪、肌、SPF(日焼け止め)などを扱うので、ウェットビジネスとも呼ばれている。これもまた流行り廃りがある。顧客はある商品を6カ月使ってみてから、また別のものを試すかもしれない。それが美容業界の一般的な仕組みだ。そんななかで変わらない唯一のものがシャワーだ。シャンプーを毎週変えることはできるが、シャワーは浴びる。これをゼロ番目のステップと呼んでいる。これは、1ステップによるルーチンでも、10のステップによるものでも、どんなルーチンであろうと、もっとも重要な部分だと考えている」。
ジョリーのユーザー生成コンテンツへの特化
「万能の解決策はない。このような成功をひとつの要素のおかげだと考えることはできない。しかし、ユーザー生成コンテンツは成功のため非常に重要な要素だ。そして、人はほかの人に影響を与えると、我々は確信している。有料マーケティングは10年以上もうまく良い結果を出せていない。それでも業界全体が依然として、マーケティング予算の大部分を有料マーケティングに費やしている。しかし、うまくいっていないのは明らかだ。そのため我々は、人々を頼るという別の方法でマーケティングを行いたいと考えた。ジョリーをどのように使用しているかのストーリーを利用者に共有してもらうことにした。これは、実際の生活の食卓で(これは測定できないが)、友人とショッピングに出かけたとき、またはインスタグラム、TikTok、そのほか自分の好きなチャネルで共有することなどだ。この2年間で、ユニークユーザー生成コンテンツ数は2万件に近づいている。私の20年間のキャリアのなかでも、このようなものは見たことがない」。