「一期一会」の理解度にマネジャーの実力差が出る できる上司は自然とやっている仕事依頼のコツ
「より具体的には何をすればいい?」 「たとえば何がある?」 具体的に掘り下げるには、この2つの質問は便利だ。 部下の考えを促すコツは、尋問にならないよう柔らかい表現で質問していくこと。そして適宜助け船を出すこと。上司自身もわからなければ、素直に伝えるのもいい。 「実は私もわかってないんだ。一緒に考えないか?」 「そうなんですね。お願いします」 この共同作業によって「見通し」が立つと、仕事の進行がより明確になり、部下も自信を持って取り組むことができる。
■「反省の気付き」を減らして「発見の気付き」を増やす! 人が成長するのに「気付き」は重要な要素だ。一つの仕事に対して質の高い「気付き」を数多く得ることができれば、より速く育つことだろう。常に「一期一会」の教えを守るのだ。 本を読むときも、講演を聴くときも、商談を行う際にも、常に「一期一会」の精神で「見通し」を立てて臨んでいれば、毎回質の高い「気付き」を得られる。 「気付き」には2種類ある。 事前に見通すことができなかった質の高い気付きを「発見の気付き」と呼ぶ。反対に、事前に予想可能なものや当たり前の事柄に気付くことを「反省の気付き」と呼ぶ。
「反省の気付き」ばかりで、「発見の気付き」が少ないと成長も遅くなる。仕事をしていても楽しくないだろう。「とりあえず依頼」が問題なのは、予測可能なはずであった「反省の気付き」が増えるからだ。 反対に、質の高い見通しを立てることで「反省の気付き」を減らし、「発見の気付き」を増やすことができれば、成長スピードは速くなる。「タイパ」を重視する若者にとっても、望ましい姿だ。 だから質の高い「見通し」を立てることが大事なのだ。「一期一会」の教えを守り、「見通し」のレベルを上げていくことで、「反省の気付き」は減り、自然と「発見の気付き」は増えていく。
横山 信弘 :経営コラムニスト