フォルクスワーゲンを「ナイスガイ」にしたい 次世代EVの目指すもの
退屈なものを作らないためには
――EV時代のGTIは最近のコンセプトで見ましたが、Rはどうですか? 「Rは歴史ある四輪駆動車で、特定の技術的要素が必要です。一部のセグメントでは、4WDと最高のエンジンを必要とするため不可能です。GTIはより小型のモデルです。GTIとRはお客様が異なります」 「GTXもありましたが、GTIには人々を興奮させるスピリットがあります。GTIはジーンズにトレーナーであり、便利でスマートであり、ボーイレーサーではありません。Rはスーツです。第6世代や第7世代のGTIで、白地に赤のステッカーを貼っているのを見かけますが、わたしは大好きです」 ――フォルクスワーゲンの車種に、もっと専門的なモデルがあってもいいのでは? 「もちろん。しかし、わたし達は下調べをして、重要なセグメントをすべてカバーし、本当に良いものを作らなければなりません。それが今の第一の目標です。でも、スカンクワークス(本来の業務ではない、従業員の自主的な活動)もたくさんありますよ」 「アイデアを発展させた結果、退屈なリムジンになってしまうことがよくあります。1週間かけてランボルギーニをデザインし、それをフォルクスワーゲンにして検証することもあります」 「時にはこうしたことも必要です。役割を変えて新しいものを見つけていかないと、チーム全体に動きがなくなり、どれも同じ結果になってしまう。創造性の訓練のようなものが必要です。わたし自身も、日々の仕事で良い結果を出すためには必要なことなんです」
マーク・ティショー(執筆) 林汰久也(翻訳)